【FEEL MEE 松井Pに聞く】アニメ「テニプリ」異例のCD500タイトル達成

ドリーミュージックパブリッシングは2009年から、自社ECサイト「アニメ 新テニスの王子様音楽通販ショップ 音プリ」を運営している。他のアーティストの商品も扱うCDショップでは探している商品がすぐに見つからず、取り寄せにも時間がかかる。目当ての商品を探しやすいサイトにすることで集客につなげている。

同社はレーベル「FEEL MEE」で手掛けるアニメ「テニスの王子様」(テニプリ)のシリーズ関連CDで知られる。直近では8月18日に発売する新アルバム「R’(アールダッシュ)」(越前リョーマ)でシリーズ500タイトルとなり、同じアニメ作品シリーズから発売されるCDとしては異例の数になるという。

▲越前リョーマ「R’(アールダッシュ)」通常盤(左)、初回仕様限定盤(右) (C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト

アニメは2001年から放送を開始し、アーティストによる主題歌や作中に使われる「劇伴」、キャラクターソングなどをCD化してきた。2008年に原作マンガの連載が終わり、翌年にはアニメの制作も終了したが、楽曲制作は継続した。

異例の500タイトルまで続いていることについて、「自分が続けたいなら、何かを動かさなければ続かないと思う。終了時点でまだ歌ってないキャラクターがたくさんいたので、彼らの曲を作らずに終わせたくなかった。やり切れていないと感じていた」(同社の松井伸太郎レーベル・プレジデント)と振り返る。

これまで松井氏は面白さを求めて制作してきたという。「原作者、キャスト、音楽制作スタッフがフラットに関わって、いつの間にか輪になっているのは、テニプリならではのような気がする。発注に対して要素が足されて返ってくるので、楽しんで関わっているのが伝わってくる。このあたりが続いてきた要因の一つかもしれない」(同)と話す。

また、連載が終了してもアニメキャストなどが出演するラジオ番組を継続したり、キャラクターのソロライブを行ったりして、楽曲にファンが触れる機会も多く設けている。

SNSで話題になるキャラクターソングも出てきた。「将来、キャラクターがアーティストとして扱われ、ドラマ主題歌やCMソングを歌うことになったら面白いだろう」(同)と話している。