KDDIは8月6日、阪神甲子園球場(兵庫県 西宮市)の観客席エリアに導入している5GのSub6(3.7ギガヘルツ帯)基地局について、MMU(Massive MIMO Unit)無線装置に置き換え、基地局間の相互干渉を低減可能な無線リソース管理技術の適用を完了したことを発表した。

これにより、観客席エリアが満席となる混雑環境においても、従来の5G通信と比較して通信速度が1.6倍に向上したという。多数の来場者が見込まれる大規模なイベント実施時でも、高速で安定した通信サービスの提供が可能になるとのことだ。同社は今後、本格的に5G SA(スタンドアローン)のネットワークスライシングの提供を予定しており、映像中継のさらなる安定提供に取り組む。

MMU対応設備への置き換えを完了

同社は阪神甲子園球場の観客席エリアに設置していた5GのSub6基地局6局を、すべてMMU対応設備に置き換えた。MMUでは多数のアンテナ素子を利用したビームフォーミング技術の適用により、ユーザーが利用する場所に電波を効率的に届けるとともに、同時に複数のユーザーの通信を収容するMulti-User MIMOを活用して高密度な通信が可能。

さらに、MMU性能を最大限発揮するため、スタジアム内のマルチパスを考慮したアンテナ配置に刷新するとともに、スタジアムなど高密度に基地局を配置した環境で高い通信トラフィックが加わる場合に課題となる基地局間の電波干渉に対し、基地局間の無線リソース利用を最適化して干渉を回避する管理技術も適用した。

  • 従来設備との比較

    従来設備との比較