KDDIは8月2日、2025年3月期の第1四半期決算について発表した。連結業績は前年同期比で増収増益となり、通期予想に対し順調に進捗しているという。DX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめ注力領域が成長をけん引した。

事業別に増減要因を見ると、グループMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)と楽天ローミングの収入が62憶円減となった。マルチブランド通信ARPU(Average Revenue Per Use:1契約当たりの平均単価)収入は29憶円増、金融・エネルギー事業は46億円増、ローソン持分法利益22憶円増、ビジネスセグメントのDXは54憶円増となり、結果的には103憶円の増益となった。

KDDI CEOの髙橋誠氏は「通信ARPUは2023年度3月期第1四半期の水準を超え、値下げの影響を打ち消して増加トレンドとなった。ビジネスセグメントの営業利益は前年同期比で11.2%増となり、通期での2桁成長に向け想定通りに進捗している」と、振り返った。

  • KDDI 代表取締役社長 CEO 髙橋誠氏

    KDDI 代表取締役社長 CEO 髙橋誠氏

5Gと生成AIで事業を堅調に拡大

KDDIが掲げるサテライトグロース戦略において、その中心には「5G」「データドリブン」「生成AI」を置いている。まず、5Gの領域においては、これまでにSub6の基地局を3.9万局開設。通信速度は、4Gを転用した場合と比較して約3倍向上しているという。

  • KDDIのサテライトグロース戦略

    KDDIのサテライトグロース戦略

また、近接した2つの周波数ブロックを保有しているほか、2周波数対応のMassive MIMOを導入しているなど、有意性のある周波数配置を有効に活用していくとのことだ。効率的な通信品質の向上とエリア展開が期待できる。

生成AIについては、大規模計算基盤の整備、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)構築、ソリューション提供の3つの領域について、パートナリングを強みにビジネスを展開してきた。

大規模計算基盤の整備では、経済産業省からの補助金などを含めて今後4年間で1000億円規模の設備投資を行う。LLMの構築に関しては、ELYZA、およびNICTとそれぞれ連携し、日本語LLMやその周辺技術の開発を進める。ソリューション提供ではアルティウスリンクとの次世代コンタクトセンターに向けて、そして野村総合研究所(NRI)とはセキュリティが堅牢なAI活用の推進について、それぞれ協議を進めている。

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/無料会員登録

会員サービスの詳細はこちら