ヘアケアブランド「SpaniQ」が急成長 顧客ターゲット明確化で定期購入件数が20倍に

ネット広告代理店のグローバルマーケティングの子会社であるYOUTORIO(ユトリオ)が運営するヘアケアブランド「SpaniQ(スパニーク)」が成長している。左子義則社長は「2023年4月の定期購入件数は約50件だった。現在では900件にまで拡大し、約20倍の規模にまで成長した」と話す。

 

グローバルマーケティングは2022年5月にYOUTORIOを子会社化し、2023年11月にシャンプー「SpaniQナノバブルシャンプーR」とトリートメント「SpaniQナノグロストリートメントR」のセット商品を発売した。

YOUTORIOを子会社化した経緯について、「親会社で実施しているウェブ広告のビジネスは、本当に日々コツコツと改善を繰り返し、ちりも積もれば山となるストック型のビジネスだ。親会社は1社ずつクライアントと契約を積み上げるビジネスモデルなので、営業戦略を切り替えても急激にクライアントが増えるわけではない。だが、D2Cのビジネスは”バズる”と次の日に商品がたくさん売れることもある。いつか爆発的に成長できるビジネスをやってみたいと思っていた」(左子社長)と説明する。

2023年11月、シャンプーとトリートメントのセット商品を発売した後、どの年代層に支持される商品かをウェブ広告の運用などで検証した。

「20~30代の女性に向けて訴求したり、美髪になると訴求したりした。結局、1周して良かったのは、癖毛の人や、加齢が原因で髪の毛のコシがなくなりつつある人に向けての訴求だった。商品自体は毛穴よりも超微細な気泡『ナノバブル』で、頭皮と髪のWケアを叶えるという特徴があり、商品は良い。プロダクトアウトで商品を開発した」(萩野哲平取締役CMO)と説明する。

▲「SpaniQナノバブルシャンプーR」と「SpaniQナノグロストリートメントR」

バナー広告やLP(ランディングページ)に、加齢で髪のコシに悩む人に最適な商品であることを記載し、購入促進を図った。このほか、大手新聞のプレゼント枠に出稿したり、女性誌・男性誌への掲載やインフルエンサーマーケティングなどを実施して、認知拡大に注力した。

インフルエンサーマーケティングは、顧客獲得を目的にするのではなく、認知拡大を目的に実施した。数万人のフォロワーがいるインフルエンサーにこだわるのではなく、フォロワーが数百~数千人のインフルエンサーにもギフティングを実施した。

「今回、キャスティングで重要視したのは、インフルエンサーの投稿にどれだけ熱量のあるコメントが寄せられているかだ。必ずしもフォロワーが多いインフルエンサーがいいとは限らない。中にはフォロワーが数万人を超えていてもコメントが数件、さらに『かわいい』などの投稿だけという場合もある。フォロワーが1000人の方が熱量高いコミュニティーが形成され、インフルエンサーとフォロワーの距離が近いことも多い。当社では、一人一人しっかり見て、それを踏まえて、『この人にお願いしよう』と決めている」(荻野取締役CMO)と話す。