【5カ月前倒しで目標達成】ポーラ・オルビスHD、香水のサブスクD2C「ERAM」の好調要因は?

ポーラ・オルビスホールディングスの社内ベンチャープログラムから誕生した、香水のサブスクサービス「ERAM(エラム)」が好調だ。2023年7月にサービスを開始し、当初10カ月で達成することを掲げていた新規顧客数と売り上げ目標を、5カ月前倒しで達成したという。

12種類の香りは、すべてオリジナルで調合しており、香水を初めて使う男性がユーザーの中心となっているそうだ。

<3カ月かけて選ぶ>

香水のサブスクサービス「ERAM」は、ユーザーが、12種類の香水の中から、自分にあった香りを選び、毎月定期購入するサブスクリプションのD2Cサービスだ。

▲「ERAM」の香水

ユーザーは、ECサイトで、気分や好きなファッションに関するアンケートに回答する。アンケートの回答をもとに、「フローラル」「シトラス」「オリエンタル(ムスク調)」「ウディー」の4カテゴリーの中から、3種類の香りが提案される。

 

定期購入の最初の1カ月目は、提案された3種類の、2ミリリットル入りの香水が届く。1カ月使ってみた後に、ECサイトで順位付けをすると、2カ月目は、別の3種類が届く。

 

さらにECサイトで順位付けをすると、3カ月目には、自分のお気に入りの香りの本品6ミリリットル(1カ月分)が届くという。3カ月目に届いた香水の香りが気に入らなければ、いつでも別の香りに切り替えることができるという。

 

「6ミリリットル入りで1カ月分のサイズとしているが、使用量や使用頻度はユーザーによって異なる。6ミリリットルを2カ月で使う人もいるため、自由にスキップできるようにしている」(事業開発室 フレグランス事業TF リーダー 大島康平氏)と言う。

 

価格は1カ月分で、税込3980円となっている。

<ポーラのレジェンドが監修>

ポーラ・オルビスホールディングスでは、「ERAM」をユニセックスのブランドとして設計しているという。現在のところ、結果的に、20~30代の男性の若年層がユーザーのボリューム層となっているそうだ。インスタグラムやティックトックといったSNSを中心にプロモーションを行っているという。

 

「ERAM」の香りの監修は、化粧品メーカー大手のポーラで長年、香水の調合師として活躍した、「香りのレジェンド」と呼ばれる人物が行ったという。

 

同社によると現在は、円安の影響もあり、海外の高級ブランドの香水の価格高騰が続いているのだという。そんな中、海外ブランドからスイッチする形で、「ERAM」の香水を使い始めるユーザーもいるという。

 

「香水を初めて使う人も、今まで香水を使ったことがある人も、自宅で自分のペースで、ストレスなく試せるのが、大きなメリットだ」(同)としている。

 

同社では今後、ECだけでなくリアルでも、「ERAM」とユーザーとのタッチポイントを増やしていく考えだという。香りの種類の拡充や、提供する仕組みのブラッシュアップも検討しているそうだ。

■「ERAM」

https://eram.jp/