企業DXは様々な分野で進んでいるが農業の分野でも成果をあげている。アステリアは、りんごで有名なつがる弘前農業協同組合(以下略、JAつがる弘前)が、同社のノーコードモバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」を導入して"りんご在庫管理アプリ"を開発、年間約500時間の工数削減など業務効率化を実現したことを発表した。

  • 「りんご在庫管理アプリ」で在庫数を報告する様子(同社資料より)

    「りんご在庫管理アプリ」で在庫数を報告する様子(同社資料より)

「りんご在庫管理アプリ」でアナログからデジタルへ

JAつがる弘前では、組合員が生産するりんごを中心とした農作作物を年間約5万トン販売しており、果物・野菜・穀物等の品質管理から、包装や等級の選別まで出荷に必要な在庫管理業務を遂行している。

作業は7拠点の貯蔵庫の在庫数を確認し報告書を作成、FAXで提出するというもので、入力ミスなどの人的リスク、集計タイミングのズレによる正確性の問題、レポート作成などの作業負荷など多くの課題を抱えていた。アナログ業務を撤廃しデジタル化を推進するためにローコードでアプリを開発し運用も手軽な「Platio」を導入、「りんご在庫管理アプリ」を開発し、本格導入へと至っている。

「Platio」(公式Webサイト)

「Platio」(公式Webサイト)

「Platio」は、100種以上のテンプレートを活用し、現場業務に対応したモバイルアプリケーションをローコードかつ短期間で開発し即運用できるプラットフォームサービス。今回、保有在庫の品種・等級・数量などの内容を記録・報告する「りんご在庫管理アプリ」を開発するために導入、2カ月で開発し本格運用を開始。アプリを導入することで販売在庫数のデータ化と報告書作成作業の大幅な簡素化が可能なほか、リアルタイムでの在庫状況の把握、在庫管理業務工数の年間約500時間の削減、出荷先の卸売市場への在庫数報告時間の約3時間前倒しなど業務効率化を実現している。

  • 「りんご在庫管理アプリ」画面イメージ(同社資料より)

    「りんご在庫管理アプリ」画面イメージ(同社資料より)

農業分野ではIoTやAI、最新通信技術など様々な新技術を活用したソリューションが展開される一方、在庫管理や品質管理、報告、連絡など日々の業務に関しては未だにFAX、紙による報告書の提出などアナログ部分から抜け出せない状況もあるが、そんな中、ローコードかつ高速でアプリを開発でき、手軽に運用できる同サービスが成果を出している。