Wikimedia Foundation(ウィキメディア財団)はこのほど、「Stories from the anti-disinformation repository: Why Wikimedia is an antidote to disinformation – Diff」において、ウィキメディアが偽情報に対して有効であることを発表した。インターネット上で急増する偽情報により信頼できる情報へのアクセスがますます困難になっている状況において、Wikipediaをはじめとするウィキメディアaのプロジェクトが重要な役割を果たしていると報告している。

  • Stories from the anti-disinformation repository: Why Wikimedia is an antidote to disinformation – Diff

    Stories from the anti-disinformation repository: Why Wikimedia is an antidote to disinformation – Diff

ウィキメディアの偽情報対策事例:ブラジルの取り組み

ウィキメディアにおける偽情報対策成功のカギは、ボランティアの貢献とその組織的な取り組みにあるという。彼らは日々コンテンツの正確性や情報源の確認、バランスの取れた記事作成に取り組み、誤情報の訂正や偽情報キャンペーンの阻止に尽力しており、特に教育リソースが限られている地域での影響は大きいと説明している。

また2022年にボランティアや関連団体、コミュニティが偽情報に対抗するために行っている取り組みやプロジェクトをまとめ始めており、ウィキメディアがどのようにして偽情報への対抗手段となるかを示す「偽情報対策リポジトリ(Anti-Disinformation Repository)」が創設されている(参考:「Anti-Disinformation Repository - Meta」)。

偽情報対策リポジトリの一例として、ブラジルのWiki Movimento Brasilと呼ばれるウィキメディアユーザーグループのボランティア活動が紹介されている。彼らの活動ではウィキメディアエコシステム内のプロジェクトであるウィキデータが活用されており、ブラジルの軍事独裁政権下での犠牲者に関する正確な記録が維持されている。

過去の人権侵害の記録を保存し、透明性と説明責任を促進する取り組みが行われているこのプロジェクトは他国でもモデルとなる可能性があるとされ、歴史の正確な記録を守り偽情報の拡散を防ぐのに役立つと説明されている。

最後に、ウィキメディアプロジェクトが偽情報との戦いで成功を収めているのは、ボランティアの貢献によるものであることが強調されている。彼らの努力により情報へのアクセスが民主化され、偽情報による悪影響を減らすなどの重要な役割を果たしていると伝えている。