ソフトバンクは7月1日、生成AIを活用したSaaSの開発を目指す100%子会社のGen-AXが本格的に事業を開始したと発表した。生成AIによるビジネス向けのSaaSと、業務改革を支援するコンサルティングサービスの提供を通じて、企業のAIトランスフォーメーション(AX)を支援する。2024年度中に商用サービスの提供を開始する予定だ。

同社は2023年7月7日に準備会社として設立され、2024年6月1日に社名をGen-AXへ変更した。資本金は3億円。生成AIを活用して企業内の業務効率化を図る、さまざまなSaaSの開発および提供を行う。まずはカスタマーサポート領域向けのサービスを提供しながら、順次さまざまな領域・業種向けのサービスを拡充していく予定。

  • Gen-AX 企業ロゴ

カスタマーサポート領域では、生成AIを活用したコンタクトセンターの自動応対システムを提供する。日本マイクロソフトと協力して構築したシステムをベースとし、外部のさまざまな企業のニーズに対応できるようにカスタマイズができるという。

決められた順序と固定化されたスクリプトで応対する従来の「フロー追従型」ではなく、顧客との会話内容に応じて、LLM(大規模言語モデル)が必要な機能やデータソースを参照する「自律思考型」のシステムを採用するとのこと。導入企業や顧客の同意を得たうえで、過去のオペレーターの応対履歴などのデータを生成AIに学習させ、継続的に性能の向上も目指す。

AXを支援するためのコンサルティングサービスでは、ソフトバンクの知見やノウハウと、先進的な生成AI活用事例などを基に、生成AIを活用した業務改善の戦略立案やソリューションの提案、各企業の業務課題に特化した生成AI技術のチューニングなどを行い、業務効率化やコスト削減を実現するとのことだ。