【成長率は「TENGA」超え】女性向けセルフプレジャーグッズ「iroha」、3年平均成長率は37% 顧客巻き込む販促が鍵

TENGAが提供する女性用セルフプレジャー(自慰、マスターベーション)グッズ「iroha(イロハ)」の売り上げが拡大している。過去3年間の平均成長率は約37%と高水準で推移している。成長率は男性向け商品のTENGAを超えた。

<「iroha部」の活動が寄与>

成長の背景には、女性が商品を購入する際の心理的ハードルを下げる施策がある。2022年からは、一般ユーザーから募った公式アンバサダー(通称「iroha部」)に、SNSなどを通じてPR活動を依頼している。

iroha部に選ばれたくにとも氏は、ECで商品を購入し、実際に開封するまでの様子を、およそ4000文字にまとめ、写真付きでレビューした。外注のインフルエンサーマーケティングでは実現しにくい、消費者目線の丁寧なレビューが、初めて商品の購入を検討する層に好評だったという。

同社で「iroha」のマーケティングを担当する月島のの氏は、「公式アンバサダーは商品に愛着を持ち、ブランドの価値観にも共感してくれている。社員ではないけれど、社員に近い、仲間のような存在」だと言う。

さらに、「女性の性は隠すもの、いやらしいものという風潮を払しょくし、一緒に性を楽しむきっかけ作りをしていきたい」(月島氏)と話す。

▲昨年のiroha部のメンバー

<イメージアップで販路拡大へ>

女性の性やアダルトグッズに対するイメージを好転させることで、販路の拡大にもつながっている。

以前はアダルトという理由で取り扱ってもらえなかった大手ECサイトも、化粧品やファッション雑貨とともに商品を販売してくれるようになった。

同社マーケティング部の西野芙美氏は、「ECサイト内に特設ページを作り、医師や専門家のコメントを載せるなど、商品を手に取りやすくする工夫もできるようになった」と話す。

今後も「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というミッションのもと、「iroha」は女性がオープンに性を楽しめる社会を目指し、商品を広めていく方針だ。