健康食品通販最大手のサントリーウエルネスは6月13日、同社として初めて、EC・店舗流通を主体とした商品を発売する。「疲労感軽減」と「寝覚めの体調良好」を表示する機能性表示食品「セサミンバイタル」だ。仕事や家事で忙しい40~50代のミドル層の開拓を図るとしている。
単品通販の代表的な指標であるLTVよりも、ターゲット層の買いやすさを優先した販売戦略をとるとしている。同社では、2024年12月期の「セサミンバイタル」の売上目標として、20億円を掲げている。
「海と陸の夢のコラボ」
「セサミンバイタル」は、サントリーウエルネスが、7年の歳月をかけて開発した、虎の子の商品だという。
▲「セサミンバイタル」
機能性関与成分は、「セサミン類」と「アスタキサンチン」の2種類。「抗酸化作用を持つセサミン類、細胞の抗酸化作用を持つアスタキサンチンには、加齢に伴い疲労を感じやすくなっている健常な中高年の方の日常生活における一時的な疲労感を軽減する機能が報告されています。抗酸化作用を持つセサミン類には、日常生活において疲れを感じている健常な中高年の方の寝覚めという体調を良好に保つ機能があることが報告されています」と機能性を表示している。
「セサミンバイタル」には、サントリーウエルネスの主力商品「セサミンEX(イーエックス)」と同量のセサミンを配合している。
サントリーウエルネスでは、「セサミンバイタル」の主要なターゲットとして、「現代の、ホワイトな働き方と成果を同時に求められる仕事をしながら、家庭でも子育てなどの役割が大きいミドル世代」を設定。ターゲット層が抱える健康課題である「疲労感」の軽減を訴求する商品の開発に取り組んだという。「セサミン」の”相方”と呼ぶべき食品素材を探した結果、約800素材の中で、「アスタキサンチン」が、「セサミン」と相性がいいことが分かったという。
「アスタキサンチンは海藻由来の成分。開発者いわく『海と陸の抗酸化成分の夢のコラボ』が実現した」(ヘルスケア事業部 日比谷浩行氏)と話す。
「定期購入を最適解としない」決断
サントリーウエルネスでは、「セサミンバイタル」の販売において、単品通販の重要な指標であるLTV(ライフタイムバリュー)に優先順位を置かない戦略を取るという。
サントリーウエルネスではこれまで、「セサミンEX」などの健康食品の通販において、インフォマーシャルを見て電話注文した顧客に、コールセンターのオペレーターが丁寧に説明し、定期購入へと引き上げる単品通販モデルを確立してきた。
サントリーウエルネスでは、こうした販売モデルは、シニア層の顧客にマッチした手段であり、ミドル層にはマッチしないと判断したという。
「セサミンバイタル」の販売においては、アマゾンや楽天市場、自社ECサイトなどの「EC」と、ドラッグストアなどの「店舗流通」を主要な販路とする。
「市場調査においては、ミドル層が、SNSなどでレビューを見た後に、ECモールや店頭で購入する傾向が強いことが分かった。最終的には定期便がお得だと思ってもらいたいが、まずは購入してもらいやすい販路を優先した。『定期購入を最適解としない』という判断は、会社としても大きな決断だった」(日比谷氏)としている。