VMwareは5月14日(米国時間)、「VMware Desktop Hypervisor Pro Apps Now Available for Personal Use - VMware Cloud Foundation (VCF) Blog」において、「VMware Workstation Pro 17」および「VMware Fusion Pro 13」のライセンスモデルを変更すると発表した。
「VMware Workstation Pro 17」のライセンス形態
WindowsおよびLinux向けのデスクトップハイパーバイザーである「VMware Workstation Pro 17」については、2つのライセンスモデルが提供される。個人で使用する場合は無料で利用することが可能になる。職場などで商用目的で使う場合は商用サブスクリプションの購入が必要になる(参考「VMware Workstation Pro: Now Available Free for Personal Use - VMware Workstation Zealot」)。
VMware Workstation Pro 17の有償版と無償版に機能的な違いはない。無償版として使う場合はユーザーインタフェースに「This product is licensed for personal use only」といった表示が行われるが、機能的な違いはないとされている。
下位の「VMware Workstation Player 17」は販売終了となり、すでに購入できなくなっている。現在VMware Workstation Player 17を使っているユーザーはフル機能が備わったVMware Workstation Pro 17への無料アップグレードパスが提供される。VMware Workstation Pro 17を新規でダウンロードしてインストールすればよい。なお、VMware Workstation Player 17は現在と同様にVMware Workstation Pro 17に同梱されているので同梱されたものは使うことができる。
「VMware Workstation 17」の商用ライセンスを持っている場合は、引き続き製品を利用可能。有効なサポート期間が終了した後は、VMware Workstation Proへアップグレードして継続的なサポートとアップデートを受けることが推奨されている。
「VMware Fusion Pro 13」のライセンス形態
Mac向けのデスクトップハイパーバイザーである「VMware Fusion Pro 13」についても、2つのライセンスモデルが提供される。個人で使用する場合は無料で利用することが可能になる。職場などで商用目的で使う場合には商用サブスクリプションの購入が必要になる(参考「VMware Fusion Pro: Now Available Free for Personal Use - VMware Fusion Blog」)。
VMware Fusion Pro 13も有償版と無償版に機能的な違いはない。無償版として使う場合はユーザーインタフェースに「This product is licensed for personal use only」といった表示が行われるが、機能的な違いはないとされている。
下位の「VMware Fusion Player 13」は販売終了となり、すでに購入できなくなっている。現在VMware Fusion Player 13を使っているユーザーはフル機能が備わったVMware Fusion Pro 13への無料アップグレードパスが提供される。VMware Fusion Player の個人用ライセンスを使っているユーザーはFusion 13.5.2にアップデートしてライセンス キーを削除することで追加のキーを必要とせずに完全な「個人用プロライセンス」のロックが解除される。
「VMware Fusion 13」の商用ライセンスを持っている場合は、引き続き製品を使用することができる。有効なサポート期間が終了したあとは、VMware Fusion Proへアップグレードして継続的なサポートとアップデートを受けることが推奨されている。
デスクトップ向けハイパーバイザーをProへ集約
今回のライセンスモデル変更はVMware (Broadcom)がデスクトップ向けのハイパーバイザー製品を「VMware Workstation Pro」と「VMware Fusion Pro」というProへ集約することを意味している。機能的な違いを設けないということから、実質的にデスクトップにおける仮想環境はProのみになることが予測される。
VMware (Broadcom)は2024年1月、VMware vSphere Hypervisorの無償版(ESXi)の提供終了を発表した。この影響でこれまでESXiを使用してきたユーザーが代替プロダクトへ移行する動きを見せている。Workstation ProおよびFusion Proにおける個人利用無償化はESXiの取り組みとは逆の方向性であり、VMware製品の入口としてユーザーを引き付ける役割を継続させる狙いなどがあるものとみられる。