名刺管理サービスなどを手掛けるSansanは4月2~4日の3日間、渋谷サクラステージにて、全米で約4800万人が楽しむ注目の最新スポーツ「ピックルボール」の体験イベントを開催した。3日間で合計490人が来場し、2日目の夜には企業交流会が開かれ、64人のビジネスパーソンがピックルボールを通じて交流を深めた。
アメリカで人気沸騰中の「ピックルボール」とは?
ピックルボールとは、アメリカ・ワシントン州で1965年に誕生した、テニスとバドミントンと卓球の要素を組み合わせたラケットスポーツ。コロナ禍によるパンデミックをきっかけにアメリカで急成長した。
年齢、性別、スポーツ経験を問わず、誰でも普段着でプレーできる気軽さがウケている。米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏や米テスラCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏をはじめとした起業家が愛好していることや、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ氏が投資していることでも話題になっている。
ピックルボールの競技人口は全米で890万人と、1年間で2倍近く増えた。2021年、米メジャーリーグ・ピックルボール(MLB)が8チームで始まり、現在は24チームに拡大している。賞金総額は総額約7億3000万円に上る。1年間で体験した人は4800万人で、自転車やランニングに次ぐ人数となっている。世界の「ピックルボール経済圏」は2022年に13億ドルに達し、今後5年で23億ドルに膨らむとの試算もある。
ルールはいたってシンプル。テニスと同様にコートを使用してプレーし、センターネットを挟んでボールを打ち合う。卓球よりも少し大きなラケット「パドル」を使って、直径7センチほどのプラスチック製のボールを打ち合う。中が空洞で表面には多数の穴が空いているため、重さはテニスボールの半分ほどだ。
基本的にはテニスのルールと似ているが、ピックルボールには「キッチン」と呼ばれるボレーしてはいけないノンボレーゾーンが存在する。サーブはアンダーハンドで、相手コートの対角線上に打つ。球はノンボレーゾーンを越え、ベースラインとサイドラインが囲むエリアに入れる必要がある。
今回、Sansanが開催したイベントではスペースに限りがあったため、実際の4分の1のサイズ、8分の1のコート2面が用意された。年齢や体格に関係なく、子供から大人までさまざまな人がピックルボールの体験を楽しんでいた。
筆者も体験してみたが、スーツ姿でも気軽にプレーできた点が魅力的だった。ラリーが簡単に続き、「カーン」「コーン」とボールを打ち返すときの打球音と感触が心地よかった。
Sansanがピックルボールを推進する理由
名刺管理サービスといったITサービスを手掛けるSansanはなぜ、ピックルボールを推進しているのだろうか。
きっかけは寺田親弘社長の「ピックルボールを出会いのスポーツとして事業に取り入れられないか」という一言だった。米国などへの海外出張の際、現地のピックルボール熱を知った寺田氏は、同社が掲げる「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションとピックルボールとの親和性を感じた。
老若男女、スポーツの得意不得意に制限されず、これまで交わらなかった人々がプレーし、世代を超えて関係を構築できるピックルボール。Sansanは、この新しいスポーツを通して、人々の出会いとイノベーションを後押しすることを目指す。
Sansan ピックルボール推進担当の小池亮介氏は「家族連れや仕事終わりのサラリーマンといった人たちが、ふらっと立ち寄ってピックルボールを体験してくれた。企業交流会では、肩肘張らずに交流している人が多かった。今後もこういったイベントを通じて、ピックルボールを推進していきたい」と、語っていた。