えそらフォレスト、「必要なもの以外塗らない」スキンケア推奨 優しく染まるカラーコンディショナーも好調

えそらフォレストは、天然100%の化粧品を中心に販売するECサイト「HANA ORGANIC(ハナオーガニック)」を運営している。同サイトが推奨しているのは「肌が必要とするものだけを与える。それ以外はなるべく塗らない」スキンケア。売り上げ拡大とは一見逆行するようなコンセプトをあえて展開することで、固いファン層を取り込んでいる。

同社は、JIMOS(ジモス)の社長を務めた細田洋平氏が独立後の2010年に立ち上げた。以来、オーガニックスキンケア「HANAオーガニック」の販売事業を中心に展開してきた。同ブランドで扱う商品には、化学成分を使わない、天然100%のものも少なくない。「リセットシャンプー」はエコサートコスモス認証も取得している。

モールでの販売も行っているが、現状では9割が自社サイトでの販売だとしている。

主力製品は、スキンケア。化粧水や美容液、乳液は人気が高いという。ただ、同社では、「必要なもの以外はなるべく塗らない」スキンケアを推奨している。商品の紹介ページにも「肌には元々自ら再生する力が備わっています。本来スキンケア化粧品は必要ありません」と明記しているほどだ。

化粧水「フローラルドロップ」の販売に当たっても、「肌の声を聴き、肌の欲しがる分だけスプレーして浴びる」(同サイト)ことを推奨している。これに、乳液「ムーンナイトミルク」を組み合わせて使うことを勧めている。「調子の良いときにはこれで十分です」(同)ともしている。肌がダメージを受けているときや、肌トラブルに悩まされているときは、美容液「ホワイトジェリー」や「スキンケアオイル」を使用することを勧めている。

主力はスキンケアだが、近年は「カラーコンディショナー」が売れ筋となっている。天然95%で”優しく染まる”点が好評なのだという。40~50代の購入者が多いという。

同社の化粧品には、通常の水の代わりにダマスクばら水「ローズウォーター」を使用している。「ローズウォーター」は天然物。そのため、ワインと同様、香りが年によって異なるのだという。

▲「ローズウォーターヌーボー2023」

その点を捉え同社では毎年9月に、1000本限定で「ローズウォーターヌーボー」の販売を行っている。

昨年は、「ローズウォーターヌーボー2023」の発売に合わせて、100人のファンを集めたオンラインイベントも開催したという。こうした取り組みには、「自然のものにはブレがある」ということを、ユーザーに理解してもらう意味もあるとしている。

同社では、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証「B Corporation(以下Bコープ)」も取得している。日本企業でBコープ認証を取得しているのは30数社にとどまっているという。

今後については「お客さまのニーズを理解し分かりやすいサイトにしていくことが目標。そこに向け、お客さまの声をインタビューする取り組みも始めている」(東郷麻妃子マネージャー)と話す。先行して行ったラインでのアンケートでは、9000人以上の「友達」のうち、600人が回答を寄せてくれたという。