NECは3月18日、「医師の働き方改革」への貢献に向け、医療文書の作成を支援する生成AIを搭載した電子カルテシステム「MegaOak/iS」を発表した。4月より販売を開始する。
なお、価格は「MegaOak/iS」パッケージ標準価格が7200万円~(税別)、「MegaOak/iS AIメディカルアシスト」オプション機能利用料が月額5万円~(税別)。
MegaOak/iS AIメディカルアシストの概要
MegaOak/iS AIメディカルアシストは、生成AIの1つである大規模言語モデル(LLM)を用いた医療機関向け生成AI。第1弾として、電子カルテに記載の診療情報をもとに診療情報提供書(紹介状)と退院サマリに活用できる文章案を自動生成する。
電子カルテに記載の診療情報を経過・検査・処方などに分類・時系列に整理し、重要なキーワードをピックアップした上で、キーワードをもとに要約文章を生成する一連の処理をクラウド上で行う。
事前に行った実証の結果、医療文書に記載する要約文章を新規作成する場合と比較して、作成時間を平均47%削減でき、表現や正確性についても医師から高い評価を受けた。
生成された要約文章は、引用元である電子カルテの記載内容を関連付けて表示しているため、医師がエビデンスを効率的に確認することが可能で、ハルシネーションと呼ばれる生成AIの正確性や信頼性の問題への対策になるとしている。また「MegaOak/iS」の電子カルテ画面からシームレスに連携し文章を生成可能でスムーズな操作を実現する。
さらに、電子カルテシステムと各種クラウドサービスをセキュアに接続する「MegaOak Cloud Gateway」を用いることで、「MegaOak/iS」以外の電子カルテシステムを利用している医療機関でも利用可能とする予定だ。
NECは「MegaOak/iS」について、2028年度までに医療機関100施設での利用をめざす。今後は生成できる文書の種類を増やし、医師だけでなくすべての医療従事者の業務負担軽減に貢献し、将来的には最適なタイミングで文書を自動生成しプッシュ型で提案するなど、AIと電子カルテシステムをシームレスに連携して医療DXによる医療従事者の働き方改革をアシストしていく考えだ。