生成AIのトレーニングに使用されたアーティストの作品は、その貢献に対して支払いは得られるのか--。この問いに対し、OpenAIの幹部は明確な答えを避けたという。

すでにOpenAIに対してアーティストは集団訴訟を起こしている

米テキサス州オースティンで開催中の「SXSW」におけるファイアサイドチャットで、OpenAIでコンシューマー製品担当バイスプレジデントを務めるPeter Deng氏は、対談者が提起した上記の質問に対し、「それはいい質問だ」と述べたものの、明確には答えなかったという。

生成AIはテキストだけではなく画像も生成する。同社は、画像生成AI「DALL-E 3」などを開発しており、文章や画像で著作権の問題が浮かび上がる。実際に、OpenAIなどのAI開発企業に対し、すでにアーティストが集団訴訟を起こしており、原告のアーティストは二次創作物に対して報酬を受け取っていないとのことだ。

OpenAIは、著作権のある素材なしには有用なAIモデルの作成は不可能だという考えを示しているという。同社が1月に公開したブログでは「長年にわたって広く受け入れられた先例からも、インターネットで一般に公開されている素材を、AIのトレーニングに使うことはフェアユースと言える」と記している。

OpenAIは、Shutterstockのような素材ストック企業とライセンス契約を結び、アーティストがトレーニングデータセットから自分の作品を削除するためのオプトアウトを提供することで、懸念に対処しようとしている。3月12日付のTechCrunchが報じている。