【ShopifyとIDCが調査】エンタープライズ企業の多くがコマースプラットフォームに「スピード」「シンプルさ」求める

Shopify(ショッピファイ)の日本法人Shopify Japanは3月1日、ShopifyがInternational Data Corporation(IDC)と提携し、米国を中心に、日本企業を含む1000社のエンタープライズ企業を対象に、「簡素化された業務の未来(原題:The Future of Simplified Business Operations)」についての調査を実施したと発表した。67%が「3年以内にコマースプラットフォームの刷新を検討だけしている」と回答した一方で、61%もの企業が新しいテクノロジーを導入するにはコスト面で厳しいと回答したことなどがわかった。

近年、コマース業界の変化は激しく、エンタープライズ企業はそのスピードについていくために模索している状況にある。一方で、その取り組みのために利用するソフトウェアが非常に扱いにくいものが多いという大きな課題に直面しているとし、その実態を知るため、Shopifyはこのほど、「簡素化された業務の未来(原題:The Future of Simplified Business Operations)」についての調査を実施した。

本調査は、IT専門調査会社であるInternational Data Corporation(IDC)の協力を得て実施したもので、米国を中心に、UK、フランス、ドイツ、オーストラリア、日本にある1000社のエンタープライズ企業が対象となっている。

調査の結果、67%のエンタープライズ企業が「3年以内にコマースプラットフォームの刷新を検討だけしている」と回答した。一方で、61%もの企業が「新しいテクノロジーを導入するにはコスト面で厳しい」と考えていることもわかった。

さらに94%が、コマースプラットフォームのアップグレード時に重要なこととして、最適なタイミングでの導入と回答。コマースプラットフォームを評価するうえで重要視することとしては、67%が「使いやすさ」と回答し、コマースプラットフォームにおいては、スピードとシンプルさが重要なことがわかる結果となった。

これらの結果を受け、Shopifyは、創業以来グローバル市場で5兆ドルを超える規模のコマースを支え、175カ国に拠点を置く数百万もの事業者の売上に貢献してきたことを述べ、自社のサービスが、規模が大きく複雑化したビジネスを展開する企業においても、スピードや柔軟性、拡張性で信頼性を得ているとした。

昨今、機能やモジュールを自由に組み合わせることができるソリューションが渇望されてきた。高い柔軟性に加え、思い描く通りにシステムをカスタマイズできる点は非常に魅力的である一方、そうしたソリューションを実現するには、不要に複雑化させてしまう可能性がとし、数ある可動機能を調整しての操作、異なるソフトウェアベンダーのシステムの組み合わせは特に困難で、アーキテクチャの設計で実績あるIT技術者を招いても大変な作業であるとの見解を示した。

カスタムでシステム構築を開始し、数期目になる多くの企業から「予算を超えてしまい、終わりの目処がつかない」との声が多く寄せられているとし、途中でShopifyでの移行に切り替える方が、元々進めているプロジェクトを完遂するよりも早く市場投入できるケースが実は多いとしている。

エンタープライズ企業向けのSaaSで求められることが何かを知るための問いでは、完全にヘッドレスでモジュール化されており、異なるベンダーが提供するモジュールやアプリを組み合わせて利用と回答したのは27%。フルスタックのプラットフォームで、オールインワン(統合パッケージ)ソリューションを導入と回答したのは29%。フロントエンドはコンポーザブル(必要な機能や部品を自由に組み合わせ可能)、バックエンドはフルスタックで組み合わせた(”ブレンド”した)ものを利用と回答したのは45%だった。

この結果、もっとも多くの回答を得た”ブレンドモデル”が多くの企業にとって最適な形であると言えるとの見解を示した。システム構築の技術者の手腕に頼りすぎることなく、市場投入までのスピードが速く、より優れた顧客体験を実現し、高い費用対効果を狙えるシステムの構築が可能だとしている。

費用対効果については、91%のエンタープライズ企業がヘッドレスやハイブリッド、フルスタック、いずれのシステムに変える際でも総保有コストを抑えることが必須であると回答した。

いずれかの企業に最適な組み合わせでも、他の企業にとって同じとは限らないとし、Shopifyは、完全プラットフォームでもヘッドレスでも、モジュール化されたコマースシステムでも、無限の構築方法を提案すること、オプショナリティはShopifyの製品だけで完結せず、Shopifyのエコシステムに参加するパートナーがさまざまな機能を提供していることを示した。

さらにこのほど、「Google Cloud Marketplace」で「Shopify」を利用可能となり、柔軟な課金モデルの活用が可能になるとした。サプライチェーン・コマースのリーダーであるManhattanとの連携も実現し、注文処理業務の合理化も可能となった。

小売企業がShopifyでエンタープライズコマースを運営しながらマーケットプレイスでも販売できるよう、Miraclやグローバルビジネス、およびテクノロジーのコンサルティングファームSlaromともパートナーシップを結んだ。これらの新たなパートナーシップがあらゆる業界で選ばれるテクノロジープロバイダーとしてのShopifyのポジションをますます確立するとの考えを示した。

さらに今回の調査で得られたインサイトとして、エンタープライズ企業は、ビジネスの成長に合わせてスケールできるプラットフォームを必要としているとし、多く挙げられた課題は、「デジタルスキル不足」(38%)に次いで、「(利用している)テクノロジーが拡張性に乏しいこと」(31%)だったとした。

こうした課題があがる中で、Shopifyへの信頼と期待さらに高まっているとし、2024年にはエンタープライズ企業向けのソリューションを拡張した。Shopifyのコマースプラットフォームは、99.9%超の稼働率を誇り、専任のテクニカルアカウントマネジメントチームがアサインされることで、世界トップクラスのパフォーマンスを支援する。

エンタープライズ企業は、困難な課題に直面していることは間違いないが、SaaSがうんざりさせるものとは限らないとし、テクノロジーは足枷になるべきではなく、企業のビジネスを飛躍させるものでなくてはならないとし、Shopifyはコマース業界のスピードの速さを上回って動き続けるとの考えを示した。

今回発表した調査レポートの詳細は、ShopifyのWebサイトからダウンロードできる。