TISインテックグループのインテックは2月29日、横河システム建築および横河商事と、姿勢推定AIを用いてカメラで撮影した作業者の関節の動きから作業内容を推定し、生産性を可視化する実証実験を1月から開始したことを発表した。なお、実証実験は4月まで行われる。
実証実験の概要
今回使用される姿勢推定AIとは、画像や動画に映った人の姿勢情報を取得するためのAI技術。マーカーや特別なセンサを使わず、一般的なビデオカメラ1台で撮影した二次元映像から、人の骨格を手軽に認識することが可能なものとなっている。
インテックは、この姿勢推定AIを活用し、工業DX(工場でのミス防止や作業効率化、安全性確保などの作業認識)をはじめ、医療DX(患者のリハビリのサポート)やD&I(手話認識による円滑なコミュニケーション)などに応用する取り組みを進めている。
今回の実証実験では、横河システム建築の鉄鋼製品組み立て工程の作業者の動態をカメラで撮影し、関節(姿勢)の情報から詳細な作業内容(行動)を推定することで、「作業者の実績(生産数、作業効率、作業品質など)の自動収集」「作業者が標準作業を順守しているかの自動チェック」「ベテランと未習熟者の作業内容を比較した匠の暗黙知のデータ化」「作業標準書の作成および継続的な改訂」という課題を実現できるかの検証を行う。
インテックでは、今後も人に関するデータの収集を行い、産業全体に活用できるサービスの展開を進めていきたい考え。