楽天グループで通信プラットフォーム事業を展開する楽天シンフォニーは2月26日、ウクライナ最大の通信事業者であるKyivstar(キーウスター)と協業し、同社がウクライナで展開するネットワークに楽天シンフォニーのOpen RANのテクノロジーを導入することについて、基本合意書を締結したと発表した。

楽天シンフォニーは、2月19日に東京都で開催された日・ウクライナ経済復興推進会議において、日本の岸田文雄首相とウクライナのデニス・シュミハリ首相に、同合意書の締結を報告した。

  • 日ウクライナ経済復興推進会議の様子 提供:経団連

    日ウクライナ経済復興推進会議の様子 提供:経団連

両社は同合意書に基づき、楽天シンフォニーの持つOpen RANや5Gに関わるテクノロジーをキーウスターのネットワークへ導入し、ウクライナのデジタルインフラ再構築や、同国の再建と復興に向けた支援の取り組みを進める。導入の開始は、2024年内を予定。両社は今後、それぞれの取り組みの範囲について協議・検討していく。

キーウスターは、過去2年間で国内外に2400万人規模のネットワーク接続を維持し、ネットワークとデジタルサービスに多額の投資を続けてきた。また、キーウスターの親会社であるVEON(ビオン)は、ウクライナの再建と復興を支援するために、3年間で6億ドル(約903億4440万円)の投資を実施。さらに、マーケットの状況次第で投資規模を5年間で10億ドルに拡大する意向を示している。加えて同社は、ウクライナの地雷除去のために480万ドルを集めるなど、多くの慈善活動も支援している。

今回の基本合意書の締結は、戦時下のウクライナの人々、経済、そして戦後の復興に向けて支援する楽天グループとVEONの取り組みの一環だ。2023年8月に楽天シンフォニーとVEONは、ウクライナの通信インフラ再構築を加速することを目指して、Open RANとデジタルサービス分野における協業に関する基本合意書を締結している。

楽天グループ 代表取締役会長兼社長で楽天シンフォニーの代表取締役会長兼CEOである三木谷浩史氏は、「ウクライナの通信インフラ再構築を支援することができ大変光栄に思う。ウクライナのデジタル社会の発展に寄与していくことを楽しみにしている」と、コメントしている。