Googleはこのほど、Google Security Blog「Google Online Security Blog: Improving Interoperability Between Rust and C++」において、プログラミング言語「Rust」のエコシステムを管理するRust Foundationに対して100万ドルの助成金を提供したと発表した。RustコードとレガシーなC++コードの相互運用性の向上を支援することで、Rustを導入するための障壁を減少させるのが狙いだという。

  • Google Online Security Blog: Improving Interoperability Between Rust and C++

    Google Online Security Blog: Improving Interoperability Between Rust and C++

GoogleのRustへの取り組み

GoogleではAndroidやその他のGoogle製品におけるRustの活用を進めており、2021年からはRust Foundationにも参加している。同社がRustを評価する主な理由はそのメモリー安全性によるセキュリティの向上だ。Androidに対してRustを採用した結果、数百の脆弱性によるリスクを積極的に阻止できたとという。

クリティカルなシーンにおけるRustの有用性は明らかだが、そうは言っても世の中のクリティカルなコードの大半はC++で記述されている。それらのレガシーなコードとRsutコードの相互運用性を高められば、多くの現場でRust導入の障壁が下がり、導入が加速することが期待できる。

Googleは、Rust FouncationによるRustとC++の相互運用性を高める取り組みを支援することによって、業界全体でのより広範な Rust導入を加速させたいという。Rustの導入が進めば、さまざまなシーンにおけるメモリの安全性を向上させることにつながり、結果としてITシステムのセキュリティがより強固になる。

Googleは、ソフトウェア業界全体でメモリの安全性を向上させることが現代の主要なテクノロジー課題の一つであるとして、コミュニティや業界に対してオープンソースのエコシステムの保護に協力するよう呼びかけている。