日立製作所は2月7日、空港の情報表示基盤であるフライト・インフォメーション・システムの設計・構築・保守事業に本格参入し、成田国際空港で初採用されたと発表した。

フライト・インフォメーション・システムとは

同システムは、旅客や空港関係者に対してフライト情報やコンテンツ情報などを、空港内のロビーや旅客ターミナルなどにあるディスプレイへタイムリーに配信・表示するもので、運航情報管理、チェックイン・カウンター、バゲージ・ハンドリングなどの各種システムと連携して配信内容を生成するとのこと。

  • 成田空港から受注したシステムのイメージ

同システムは、ユーザビリティやアクセシビリティに配慮したという約600台、最大約3.7m×3.5m×3面のディスプレイを設置するもので、これにより、旅客や空港関係者の利便性向上を実現するとしている。

同社は画面や筐体のデザインも含めたディスプレイ一式および情報・通信機器やソフトウェアの設計・構築を行い、2027年4月の稼働開始を予定。

空港会社スタッフに配慮したシステム

同システムの特徴として同社はまず、旅客や航空会社スタッフおよび空港会社スタッフなどのユーザに配慮したという、視認性や操作性が高い画面デザインを挙げる。

また、ミッション・クリティカルなITシステム構築で多くの実績があるという同社と、海外主要空港でフライト・インフォメーション・システムの納入実績があるITベンダのパートナリングにより、信頼性の高いシステムを実現したとしている。

さらに、24時間365日の空港運用を支える高い可用性や、空港運営の最適化に貢献するデータ分析・連携基盤への将来拡張性を備えたシステム設計があるという。

今回の受注は、これまで同社グループとして積み上げてきた空港や商業施設のデジタル・サイネージ・システムの構築実績などが評価されたものといい、同社はミッション・クリティカルなシステム・インテグレーション力を生かしてシステム構築に取り組むとのこと。

同社は今後、国内外の空港にフライト・インフォメーション・システム事業の拡大を図ると共に、空港向けの設備管理やセキュリティなどの多様なデジタル・ソリューションと組み合わせて、コロナ禍(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大)を経て利用者数が回復する空港の運営業務のデジタル・トランスフォーメーション(DX)に貢献していくとしている。