ヤンマーマルシェとNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は1月29日、NTT Comが「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を用いたプロジェクトとして初めてJ-クレジットの認証を取得したことを受けて、生産者の新たな収益源の獲得に向けた取り組みを本格的に開始することを発表した。

両社は2023年よりヤンマーマルシェが契約する一部の生産者(パートナー生産者)のほ場において、温室効果ガスの排出を削減する水稲栽培の中干し期間の延長を行い、J-クレジット創出に取り組んできた。今回は、NTT Comが1月26日に開催された「第58回J-クレジット制度認証委員会」においてJ-クレジットの認証を取得したことを受けて、J-クレジットの販売を開始する。

  • 取り組みの概要図

    取り組みの概要図

これまでの取り組み

2023年は福井県および滋賀県の5軒のパートナー生産者のほ場において、「にじのきらめき」を対象に中干し期間の延長を行い、J-クレジットの創出と品質の調査を実施。J-クレジットの販売については、カーボンオフセット活動に取り組む企業への直接販売や、東京証券取引所での販売などを検討中。

ここでの二酸化炭素削減量は44トンで、これは杉の木約5000本が1年間に吸収する二酸化炭素量に相当するという。収穫された玄米品質は一等米比率100%。

今後の展望

両社の「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を用いて栽培し収穫した米は、NTTドコモが運営するdショッピングで2024年4月をめどに販売を開始する予定だ。2024年3月には、都内を中心にオフィス向けフードサービスを提供するStoryCrewと共同で、米を使用した弁当を期間限定で販売する。ここで販売する弁当にはアンケートを付帯し、エシカル消費に関する実態調査も実施するという。

今後は福井県と滋賀県に加え、青森県や新潟県、島根県など、「水稲栽培における中干し期間延長方法論」を用いた農法を全国のパートナー生産者にも展開し、温室効果ガス排出量の削減に取り組むとのことだ。