ソフトバンク、LINEヤフー、龍谷大学の3者は12月15日、包括連携協定を結び、龍谷大学のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、社会課題解決や人材育成を推進する場として龍谷大学が整備を進める「共創HUB京都(仮称)」の構築に共同で取り組んでいくと発表した。

  • 包括連携協定締結式の様子。左からLINEヤフー 上級執行役員 マーケティングソリューションカンパニー CEO 池端由基氏、龍谷大学 学長 入澤崇氏、ソフトバンク 取締役 会長 宮内謙氏(12月15日)

    包括連携協定締結式の様子。左からLINEヤフー 上級執行役員 マーケティングソリューションカンパニー CEO 池端由基氏、龍谷大学 学長 入澤崇氏、ソフトバンク 取締役 会長 宮内謙氏(12月15日)

共創HUB京都は、龍谷大学が有するさまざまな学問領域を交流させ人材を育成する拠点。2027年度中の運営開始に向けて整備が進められており、龍谷大学の学生だけでなく、他大学の学生や社会人などにも広く開放される予定。

ソフトバンクは、この拠点における、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などのテクノロジーを活用した最新のソリューションや先端技術を体験できる施設の構築に向けて、龍谷大学と検討を進める。

さらにソフトバンクが持つスタートアップ支援に関する知見やノウハウを提供し、同拠点が京都からスタートアップを創出するための共創を支援する場となるように協力していく。

  • 共創HUB京都(仮称)イメージ

    共創HUB京都(仮称)イメージ

同日の包括連携協定締結式で龍谷大学 学長の入澤崇氏は、「龍谷大学は2039年で創立400周年を迎える。2039年に向けた将来ビジョンとして、新たな知と価値の創造を図ることで、あらゆる壁や違いを乗り越え、世界の平和に寄与するプラットフォームとなることを掲げている。実現するためには、人間とテクノロジーが共存できる世界にしていかなければならない。ソフトバンクグループの技術を活用し、共創HUB京都を社会変革を索引する拠点にしていきたい」と説明した。

龍谷大学のDXにも取り組む。ソフトバンクとLINEヤフーがさまざまなデジタルソリューションを提供し、大学運営のデジタル化やデジタル環境の整備につなげていく。

現在はまだ検討段階だが、具体的には、LINEヤフーが提供するコミュニケーションツール「LINE」などを活用してデジタル化を進める。学内の3Dマップやトイレ・食堂の混雑状況の可視化や、デジタル学生証による入退室、学食でのモバイルオーダーといった体験をLINEで実現していきたい考えだ。

  • 3者が構想するスマートキャンパス LINE公式アカウント(イメージ)

    3者が構想するスマートキャンパス LINE公式アカウント(イメージ)

ソフトバンク 取締役会長の宮内謙氏は「学生の9割以上、ほぼ全員がLINEを普段から利用している。大学のありとあらゆるシステムに連携することで、学生の利便性が飛躍するはずだ。5GやAIといったテクノロジーの活用案も検討し、社会で活躍できるデジタル人材の創出へつなげていきたい」と展望を示した。