大田区立大森東小学校では、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とNTT QONOQ(コノキュー)の360度映像を活用した英語授業を実施している。このほど、同校の授業の様子が公開された。

  • 実際の授業中の様子

    実際の授業中の様子

今回教室に設置したのは、NTT QONOQが提供しているVR(Virtual Reality:仮想現実)空間「360Media」。Webブラウザ上から利用可能で、再現度が高い映像を映し出す。授業を行う教室には3面のパーテーションと4台のプロジェクター、2台のスピーカーを設置している。

没入感のある演出とするために、海外風のスーパーマーケットやカフェなどのシチュエーションに合わせた映像をパーテーションに投影できる仕組みだ。また、人間の生音声を録音しており、動画や動作付きのアバターが発話することも特徴だ。

  • 映像と共に英会話が流れ出す

    映像と共に英会話が流れ出す

実際の授業では、スーパーマーケットへ行って果物を購入するデモが披露された。児童たちは教師の質問に答えながら、好きな果物を紹介する場面も見られた。また、大田区内にある本門寺を巡るシーンでは、境内を進みながら「go straight」「go through」といった英語表現を学んでいた。

  • 本門寺を巡る授業シーン

    本門寺を巡る授業シーン

さらに、カナダについて紹介するシーンでナイアガラの滝が画面に映し出されると、児童からは歓声が上がっていた。

  • ナイアガラの滝

    ナイアガラの滝

  • 夜のナイアガラの滝

    夜のナイアガラの滝

大田区教育委員会では、国際都市おおたの実現やグローバル人材の育成、自己肯定感の育成を目的として、「おおたグローバルコミュニケーション」(OGC)を推進中。他校の標準的な授業時間の約2倍の英語学習を実施したり、海外とオンラインで英語交流をしたりするなど、特に力を入れているそうだ。

大田区長の鈴木晶雅氏は「英語のネイティブスピーカーや英語教師と共に学ぶ中で、英語で話したいという意欲が高まり、日常生活の中でも英語が使える子どもたちになってほしい」とコメントしていた。

  • 大田区長 鈴木晶雅氏

    大田区長 鈴木晶雅氏

また、大森東小学校の伊東瑞穂校長は「本校には日本以外の国籍を持つ児童や、両親・家族が他の国の国籍を持つ児童も在籍している。子供たちにとって、日常的にグローバルな感覚を身に付けられる環境はとてもありがたい。そういった環境の中で英語学習に取り組み、将来的にも積極的にグローバルの人とコミュニケーションが取れるような子供たちに育ってほしい」と語った。

  • 大田区立大森東小学校 校長 伊東瑞穂氏

    大田区立大森東小学校 校長 伊東瑞穂氏