東京商工リサーチは10月16日、2023年1-9月期「建設業」の倒産動向調査の結果を発表した。

同社の調査によると、1-9月の建設業の倒産は1,221件(前年同期比36.7%増)と、前年同期の約1.4倍に達したという。 2023年は1月から9カ月連続で前年同月を上回り、すでに、2022年(1-12月)の年間件数1,194件を超え、2016年(1,605件)以来、7年ぶりに1,600件台に乗せる可能性も出てきたことがわかった。

  • 建設業倒産(1-12月)件数推移 引用:東京商工リサーチ

1‐9月の負債合計は1,068億4,500万円(前年同期比18.3%増)で、増加率は20%増に届かないが、2年連続で前年同期を上回った。負債10億円以上の大型倒産は5件(前年同期6件)と前年同期を下回ったが、負債1億円未満の倒産が931件(同39.1%増)と急増し、負債合計が膨らんだという。

2023年1-9月期の「物価高」倒産は95件(前年同期30件)、「人手不足」関連倒産は98件(同77件)と大幅に増えている。同社は、物価高や人手不足で、着工遅れや建築計画自体の見直しなども散見され、先行きに不透明感が漂っていると指摘している。

業種別(中分類)では、最多が「総合工事業」の485件(前年同期比25.0%増)だった。これに、「職別工事業」が465件(同53.9%増)、「設備工事業」が271件(同33.4%増)が続いている。