データビークルは9月6日、都内で新たなデータエンジニアリングツール「dataExpress」に関する説明会を開催した。データビークル 代表取締役 CEOの油野達也氏

同社は2014年に設立し、拡張アナリティクスの「dataDiver」、データプレパレーションの「dataFerry」の提供、DX人材育成研修などを手がけている。これまで、サービス提供するとともに、分析サービス自体をパッケージ化し、児童虐待防止やコロナ予測、観光振興分析などに活用されている。

データビークル 代表取締役 CEOの油野達也氏は「現在、日本におけるデータ分析は分析のちょっと前で時間がかかっている会社が多い。当社ではこれを『マート待ち問題』と定義している。データマートを作成してもらうことを待っており、マートの作成は情報システム部門が行うため見える作業ではない。また、出力されたデータを蓄積・整備してもデータマート(分析用データ)にはならないことから、分析者目線でのデータ整備が必要だ」と力を込める。

  • データビークル 代表取締役 CEOの油野達也氏

    データビークル 代表取締役 CEOの油野達也氏

新サービスは、ERPなどのSoR(System of Record)から吐き出された伝票データを分析用に加工し、SoR以外のデータも取り込んで分析用に加工できる。さらに、ノーコードであり、分析者にヒントを出すことでインサイトを得ることを可能としており、特殊な専用データ整備オプションは不要で、すべてのBI、AIでの利用を可能としている。

dataExpressについて、データビークル 常務取締役 COO兼CFOの山崎将良氏は「分析に必要なデータセットを誰でも、思いのままに作成することができるツール」と説明している。

  • データビークル 常務取締役 COO兼CFOの山崎将良氏

    データビークル 常務取締役 COO兼CFOの山崎将良氏

具体的には生成されたデータセットはあらゆる場面で活用でき、既存データを投入すると分析用データが自動生成される。顧客情報や購買履歴、商品情報といった一般的な業務データ、集約データをそのまま利用でき、人別、時系列別、クロス集計など集計単位ごとに表を作成し、これまでと異なる粒度・集計項目で目的ごとに大量カラムの単票データを生成する。

  • dataExpressの概要

    dataExpressの概要

また、複数のデータソースから集計したい項目に合わせてデータを生成し、サポート機能としてはレポーティング機能、スケジュール機能、コネクション機能があり、パブリッククラウドともネイティブに連携。データを集約するETLツールやデータ連携を行うEAIツールと異なる点は、分析用のデータを生成することだという。

  • dataExpressの特徴

    dataExpressの特徴

山崎氏は「データをアップロードさえすればITリテラシーを問わず、誰でも簡単に使いこなすことが可能だ。DWH(データウェアハウス)、CDP、DMP、分析ツールなどを再活性化できる」と述べた。

  • 生成されるデータセットのイメージ

    生成されるデータセットのイメージ

販売を加速するため、パトーナー制度を見直し、新プログラムを創設。ソリューションパートナーに対して再々販権を付与し、加入しやすい「スタンダードパートナー(二次商流で販路拡大)」、コンサルやプロダクトベンダーなどを対象に「アライアンスパートナー」をそれぞれ新設し、いずれも無償となる。

11月の正式リリース前にはユーザー、パートナー向けにコンセプトテストを行い、2023年下期に30社への販売を目標としており、価格は初期費用(税別)が20万円、月額利用料は40万円~。