東日本旅客鉄道(JR東日本)と日立製作所(日立)は9月5日、共同で開発したフルデジタル変電所システムを、2025年度以降に導入することを発表した。このシステムを導入することで、変電所構内の伝送路および保護・制御機能の二重化が可能となり、電力の安定供給による鉄道の安定輸送に貢献するとともに、設備のスリム化による工事の省力化が可能になるとしている。

  • フルデジタル変電所システムの概要図

    フルデジタル変電所システムの概要図

現行の保護・制御システムは、変電所構内で受け渡しを行う情報を、1つの情報に対し1本のメタルケーブルを必要とする構成であるため、二重化するには同じ設備を設ける必要があり、実現が困難となっていた。

今後導入するフルデジタル変電所システムは、光デジタル通信の活用により、ネットワーク装置から現場ユニットまでの多くの情報を1本の光ケーブルで送ることが可能となり、二重化を容易に実現するとしている。

このたび、JR東日本と日立が共同で変電所のシステム構成や運用方法の検討およびフィールド試験を実施し、実用化の目途がたったことから、運用設備への導入を決定した。

2025年度以降、小岩交流変電所に導入する。具体的には、2024年度から順次機器を搬入し、2025 年度に2万2000ボルト設備を使用開始、2026年度に2万2000ボルト旧設備の撤去および6万6000ボルト設備の機器搬入し、2027年度に6万6000ボルト設備の使用開始を予定している。