Microsoftはこのほど、開発者向けカンファレンス「MS Build 2023」において、同社のノーコード/ローコード開発プラットフォーム「Power Platform」の月間アクティブユーザ数が3,300万人を超えたことを発表した。この成長には、大規模言語モデル(LLM)によるAIとCopilotの活用によって、ワークフローの自動化やアプリケーションの開発が大幅に効率化されたことが大きく影響しているという。

Microsoftは5月27日、Microsoft Educator Developer Blog「Leveraging AI and Copilot in Microsoft's Power Platform: Automating Workflows, Building Apps」において、AIとCopilotによるPower Platformの進化についてまとめられている。

  •  Leveraging AI and Copilot in Microsoft's Power Platform: Automating Workflows、Building Apps

    Leveraging AI and Copilot in Microsoft's Power Platform: Automating Workflows, Building Apps

Microsoftは現在、同社が提供するツールやプラットフォームに対するAIの統合に積極的に取り組んでいる。「Copilot」は、同社の生成AIを活用したサポートツールの総称であり、プラグインによってアプリケーションにCopilotを統合することで、AIによる複雑なタスクの支援が可能になる。Build 2023では、これまで個別に発表されていたCopilotのプラグイン開発を共通化する「Copilot stack」が発表されている。

Power Platformに対しては、2023年3月にPower AppsやPower Automate、Power Virtual Agents向けのCopilotが発表された。例えば、Power AppsでCopilotを使用すれば、アプリケーションの目的を自然言語で指示するだけで、必要なデータテーブルを自動的に生成することができる。Power Automateでは、自然言語によるフローの自動作成が可能になる。

Educator Developer Blogでは、Power PlatformでAIおよびCopilotを活用すると、業務やワークフローがどのように効率化されるのかが、具体例を挙げて紹介されている。一例としては次のようなものがある。

  • AIを活用した請求書処理の自動化
  • AI Builderのドキュメント分析への活用
  • Power PagesとCopilotを使用したプロフェッショナルなWebサイトの構築
  • Power Virtual AgentsとAIによるチャットエクスペリエンスの強化

Power Platformは、プログラミングに関する知識がなくてもワークフローの自動化や業務アプリケーションの開発を行うことができる業務支援プラットフォームである。AIとCopilotによって、その開発プロセスがより速く、より直感的で、より生産的になるとMicrosoftは強調している。