Malwarebytesはこのほど、「TikTok "a loaded gun" says NSA」において、米国上院の公聴会であがったTikTokに対する懸念について伝えた。米国家安全保障局(NSA: National Security Agency)の長官であるPaul M. Nakasone氏や米国連邦調査局(FBI: Federal Bureau of Investigation)長官のChristopher Wray氏がTikTokに対し、否定的な意見を述べたという。

  • TikTok "a loaded gun" says NSA

    TikTok "a loaded gun" says NSA

Paul M.Nakasone氏は、米国民の3分の1はTikTokからニュースを得ており、米国の若者の6分の1は常にTikTokを利用していると述べ、このアプリは「弾の込められた銃」と非難している。また、Christopher Wray氏はTikTokに対してFBIが持っている3つの懸念事項を公表している。

同局のTikTokに対する懸念事項は次のとおり。

  • アルゴリズム - TikTokのアルゴリズムを中国共産党がコントロールすることで、米国民に対する検知困難な影響力工作に悪用される
  • データへのアクセス - TikTokが持つ米国内の個人に関する膨大なデータベースがスパイ活動に悪用される可能性がある
  • ソフトウェアのコントロール - TikTokは数百万台のデバイスにインストールされており、位置情報、カメラ、マイクロフォン、その他のセンサーにアクセスできる

同氏はこれらの懸念事項が悪用されるケースとして、台湾の独立というテーマで米国民を分断させることを挙げている。台湾が中国のものであり米国が介入すべきではないと主張する動画を米国民に見せるために、中国共産党(CCP: Chinese Communist Party)がこのプラットフォームを使用できる可能性について言及している。

米国では政府機関の機密データにもたらすセキュリティ上のリスクを理由に、すべての連邦政府機関に対し、政府公用デバイスからTikTokを削除するよう求める命令が発せられている。TikTokへの対応に関しては、欧州連合(EU: European Union)、カナダ、日本などの各国政府も同様の動きを見せており、これら国々の政府職員が利用する公用デバイスでTikTokの使用を禁止することが発表されている。