Appleが本社Apple Parkに持つといわれるExploratory Design Groupについて詳細なレポートが公開された。レポートによると、Exploratory Design Groupは社内ではXDGと言われており、Googleの先進技術開発チームXと同じような位置付けだという。

発足は数年前で、Steve Jobs(スティーブ・ジョブス)氏、CEOのTim Cook(ティム・クック)氏が認めていたというエンジニアリングフェローのBill Athas氏が率いていた。

なお、Athas氏は2022年に逝去し、現在はAppleのハードウェアテクノロジーグループ下にあり、開発者と学術系の研究者からなる数百人体制でスタートアップとして活動。Apple ParkのTantau 9が拠点とのことだ。チームメンバーは、自分が取り組んでいることについて口外しない守秘義務もあるという。

XDGが取り組んでいるものとして、Apple Watch向けのグルコース(ブドウ糖)モニタリング技術の開発、次世代ディスプレイ技術、AI、眼疾患を持つ人向けのAR/VRヘッドセット向けの技術など。チップ、バッテリー技術をはじめ、既存のApple製品に重要な技術を加えているとのことだ。

レポートでは、Appleは6月上旬に開催する年次イベントWWDC(Worldwide Developers Conference)で、ヘッドセット「Reality Pro」の発表を計画しており、出荷は早ければ2023年中だという。

Appleが開発中のヘッドセットはリモコンはなく、ユーザーの目と手の動きにより操作する。iPhoneなしで設定して使えるもので、iCloudからデータを直接ダウンロードできるほか、設定時にiPhoneやiPadからデータを転送することもできるとのこと。

Appleは、次世代のヘッドセットの開発も進めているようだ。レポートによると、2024年末~2025年に低価格帯の製品を投入する計画もあり、商標登録から「Reality One」という名称の可能性があると予想している。レポートは、BloombergのAppleウォッチャーMark Gurman氏が2月26日付けで公開している。