先日、新たな紙書類を含むフローに遭遇した。ひさしぶりに遭遇するフローであったためにやはり、ほぼまる1日が費やされた。あまり慣れていない押印が必要な紙書類と書類PDFを回さなければならいフローだが、印鑑の種類や締切りの設定など、先方からの依頼要請も不明瞭でこのようなことも調べながらになるため時間がかかる。

                      |ー承認システムーライン承認
押印と付随する枝フロー|ー原本書類ーハンコの種類ーPDFスキャニングー提出場所情報
                      |ー電話ー内線番号情報ーマニュアル詮索
                      |ーetc.

紙の提出フローでは、別フロアのリアルな場所を探さなければならない。システムのオンライン化が進んでいる昨今、リアル位置情報が必要になるとは、不意打ちだった。どこだ、フロアの地図は?場所が頻繁に変わる組織では、"記憶"という名の機能が幾重にも塗り替えられる。が、まあこれは探せる。

提出物には、内線番号が必要になる。比較的最近になって入手した内線番号・・・端末には記載が無い。電話でメインで使うソフトウエアを探しても無い。チャットボットで自身の内線番号の探し方をあさってみたが出て来ない、マニュアルもあたったが同様だ。他人の番号は探せるのだが、手元の自身の番号にたどり着かない。

再度、マニュアルを念入りに読み直す。電話として使う分には特に必須では無いログインが必要なサイトがフローから離れて設置してある。そんなところに居たか。懐かしの「ウォーリーをさがせ!」(Where's Wally?)状態である。そんなにも隠れる必要は無いのだが...端末からたどり着けないのには、セキュリティ上の意味合いがあるのかもしれないが、結構な時間が掛かる。 申請に必要な情報を揃えて、承認フローの土台に乗せるが裏面の添付が無いと申請が却下されてしまったため再度、原本裏面の数行の文字をスキャンしなければならない羽目になるが、ここで問題が生じる。

原本は提出済みであるため裏面のスキャンを撮ることができない。

フローには原本差し戻しの分岐が予定されていない。いったいどこに原本はあるのか・・・幸いある時期から徹底記録を旨としてきた筆者は、編集者個人が記入主体となるもの以外は、常に原本を撮影するよう心がけていたため保存データをもとに再申請はできたのだが、その慣習がなければ例外フローはそのまま放置期間が右往左往していたのではないだろうか。テレワーク時では、なおさらだ。物理移動が伴う原本のやりとりは、紛失リスクが付きまとうため少ないほうが良いが、重要な物理的書類にはRFIDソリューションも検討できるだろう。電子化していない文書にRFID専用ラベルを貼ることで物理的情報の管理が可能になる。

システムが未来に進化したならば・・・そう夢想した。

一連のフローがすべて電子化されたフロー図がPDFやWebに現れる。先方の依頼締め切りは、クリックすると先方と通信し、自動で埋められる。紙を提出するリアルな場所もフローの目的から読み取り地図で自動付記される。配られたばかりの内線番号も当然、クリックすると自動で埋められ、原本の所在はRFIDなどから得た情報が表示され安心が確保、という具合だ。

                                |・通信による情報の穴埋め
未来の書類ー一枚のデジタル書類ー|・承認フローとの連携
                                |・目的からの情報の提案
                                |・物理情報はRFIDなどで安心

実際にMicrosoft TeamsやSlackなどチャットツールと連携し、会議で必要となるフローやプロセスを自動化するミーティングマネジメントツールなども国内で発表されているが、点在するデジタル情報を流れでまとめると効率的になる。口頭コミュニケーションのやりとりで伝達されていたプロセスの多くは、デジタル化されているため、これをフローで自動化すると使い勝手が格段に向上したパッケージとなる。

チャットツールのような入り口からでも良いし、Wordやマインドマップのようなファイルからの綿密なリンクの集まりでも構造化できるだろう。慣れている者は気が付かないが、初めて遭遇する者にはプロセスが集合するフローが立ちふさがる。いたるところにあるこれらの課題は、各プロセスがデジタル化された昨今においては、需要に応えるサービスへと進化する。そうあって欲しいものである。