パナソニック コネクトは10月26日、放送業界やライブ・イベントなどのエンタメ業界、映像制作に携わるユーザー向けに、高画質撮影と映像制作の効率化を両立するという4Kインテグレーテッド・カメラである「AW-UE160W/K」を2022年度内に発売すると発表した。これにより、スタジオ・カメラ並の高品質映像を持つリモートカメラで、新しい映像体験の提供が可能になるという。

  • AW-UE160W/Kの外観

新製品は、放送業界やライブ・イベントでのより高品位な映像でのIP/リモート映像制作を見据え、スタジオカメラに近い性能を備えたという新たなリモートカメラ。

同製品では、斜め後ろや天井などのアングルでのスタジオの映像制作を実現可能になり、人が入りにくい場所からの撮影や、人の帯同なしで撮影したいといった要望(高所撮影)や撮影環境の整っていないスタジオ外でも高品質な映像を撮りたい(リモート中継)などの要望にも応えるとしている。

多様なインターフェース(入出力端子)やプロトコルに対応しており、1台の同製品から複数外部接続機器への同時出力も可能になり、XR(拡張現実)を含む多様な放送現場のオペレーションの効率化が可能になるとのこと。

その特徴として同社は、撮影性能と操作性、多様な撮影手法と機能、システム構築の容易さを挙げる。撮影性能と操作性に関して、まず新開発のイメージ・センサでスタジオ・カメラと同等の感度を実現した。

また、新開発の画像処理エンジンにより画質がさらに向上し、低照度の環境でも被写体をきれいに捉えるとのこと。さらに、新開発した高速でのフォーカス合わせが可能な像面位相差オート・フォーカス(PDAF)の搭載により、動きの速い被写体の撮影にも対応できるとしている。

加えて、新開発のPTZ(パン・チルト・ズーム)機構および、光学式画揺れ補正(OIS)にロール方向の電子式画揺れ補正(EIS)を追加したハイブリッド式画揺れ補正により、レール・システムやカメラ・アームなどの特殊機材を用いる現場でも、映像のブレを抑えた安定した撮影を実現するという。

  • 背面タリー・ランプと黄色タリーのイメージ

撮影手法と機能については、リモートカメラ初というSMPTE ST2110への対応(別売のソフトウェアが必要)、出演者用のモニターやプロンプター映像として使えるリターン機能、背面タリー・ランプ/黄色タリーの追加など、スタジオ撮影に適した機能を強化したとのこと。

また、5Gモバイル・ルーターのUSBテザリングにも対応し、配線が困難な場所でもワイヤレスでの映像伝送を実現するという。

  • 水平レベルゲージ表示機能のイメージ

システム構築に関しては、多彩なインターフェースとプロトコルへの対応により、既存の撮影システムへの導入負担を軽減するとしている。また、同時に複数の端子から出力しても映像出力に制限が掛からないため、4Kでのサイマル運用が可能とのこと。

既存のシステム・カメラやリモートカメラとの画合わせ・色合わせが容易になる機能や、既存のカメラを一括管理できるという同社の無償ソフトウェアやリモート・オペレーション・パネル(ROP)の併用により、システム・カメラとの混在運用がより容易になるという。

さらに、波形表示機能や水平レベルゲージ表示機能により、撮影の設置・調整の負担を軽減するとしている。