情報処理推進機構(以下、IPA)は8月4日、国家試験である基本情報技術者試験(以下、FE)および情報セキュリティマネジメント試験(以下、SG)を対象として、IBT(Internet Based Testing)方式に向けた実証試験を行うことを発表した。
FEはITに関する基本的な知識や技能を評価する国家試験だ。これまでの応募者数は約920万人に上り、累計合格者数は約117万人だ。情報処理技術者試験の中では最も累計応募者数多い試験区分でもある。ITエンジニアの登竜門レベルに相当するとされ、応募者の約7割が社会人、約3割が学生とのことだ。
一方のSGは、組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的な知識と技能を評価する国家試験だ。平成28年に創立し、これまでの応募者数は約20万人で、累計合格者数は約11万人だ。各部門の情報セキュリティリーダー向けに相当する試験であり、応募者の約9割が社会人、約1割が学生だという。
両試験は新型コロナウイルス感染症の拡大などを背景として、2020年12月からCBT(Computer Based Testing)方式による試験が開始された。CBT方式は全国に設置されたテストセンターのPC端末から受験する仕組みで、IBT方式は自宅から自身のPCなどを用いて受験する仕組み。
IPAは今回、これら二つの試験区分を対象にIBT形式の実証に取り組むとのことだ。一般の参加者の募集を9月15日から開始する。実証の募集人数は数100人から数1000人規模となる予定だ。
なお、出題範囲や形式などは2022年4月に公表している通年試験化の発表内容に従う。IBT方式とCBT方式の比較検証を行う目的で実施するため、実証試験はCBTも併せて実施する。いずれか、または両方を選択して受験可能。
IBT方式は自宅などで、CBT方式は試験会場でそれぞれ受験する。受験に際しては、受験申込みから試験問題の解答、成績の確認などの一連の流れを体験可能だ。なお、先着順で受付を開始し、応募人数が一定数に達した時点で募集を締め切る場合もあるとしている。
試験の参加費用は無料だが、試験合否判定はせず、結果画面には正答数が表示される。