ネットプロテクションズは7月12日、BNPL(後払い決済)サービスの農業分野への提供を開始し、農業分野における事業パートナーとして家族農業が持続可能な社会を目指すというノウタスと包括業務提携契約を締結したと発表した。ノウタスは、農業デジタルサービスおよび農業エンターテイメントを提供するアグリテック企業。

  • 両社のロゴ

ネットプロテクションズは農業への関心が高い社員を中心に、同社が持つBNPLサービスを使用した農業の課題解決を検討してきた。その一環として同社は、2022年5月にノウタスが長野県須坂市で実施した「ノウタスワーケーション」へ参加。プログラムを通じて得た知見や事業アイデアについてのノウタスとの継続協議を経て、包括業務提携の合意に至ったとのこと。

今回の包括業務提携の目的として、ネットプロテクションズは「農家への『あと値決め』の提供により、農家のブランド化を実現し収益改善に寄与」、「農業関連企業への『NP掛け払い』『NP後払いair』の提供により、請求・集金におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現」の2点を挙げる。

消費者が感じた価値に応じて値段を決めて支払うことができる決済一体型のポスト・プライシング・サービスである「あと値決め」の提供により、購入者は農作物を食べた後に農作物の値段を決められるようになり、お試し購入や納得感をもった上での応援消費につなげる。「あと値決め」の認知度が高くない農家にとって、品質が高い農作物を市場価格よりも高値で販売することは売れ残りリスクを抱えることにもなるという。

  • 「あと値決め」の画面イメージ

ネットプロテクションズが提供する「NP掛け払い」は、請求書決済におけるすべての工程、リスクを請け負うサービス。一方、「NP後払いair」は、BtoCサービスを提供する企業向けの後払い決済であり、NP掛け払いと同様に、請求書の作成から発行、顧客とのやり取りまで全てのプロセスを代行する。

これらのサービスを、ノウタスの協力を得て農業関連企業に提供することで、農作物および農機具、農薬などを取引する農業関係者および顧客の利便性向上、請求業務における効率化・DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の実現に寄与する。

同社は長野県の農家および農業関連企業への同社サービス提供から開始し、今後は全国への展開を目指していく意向だ。