空間情報事業を展開するパスコは、開発中の輸配送管理システム(TMS:Transport Management System)ソリューションである「LogiSTAR Geospatial LINKS」内の2つのサービスを6月1日より開始した。開始したのは、中長距離幹線輸送支援サービス「LogiSTAR Geospatial LINKS -Line」と企業・部署間の相互連携と情報共有サービス「LogiSTAR Geospatial LINKS -Eyes」の2つ。

  • 「LogiSTAR Geospatial LINKS」の概要(同社資料より)

    「LogiSTAR Geospatial LINKS」の概要(同社資料より)

「LogiSTAR Geospatial LINKS -Line」は、物流の上流部である中長距離の幹線輸送の配送計画支援を行うサービスで陸送以外の輸送にも対応する「ダイアグラム機能」などにより、工場から物流拠点への幹線輸送、拠点間の横持ち輸送、鉄道や海運などへのモーダルシフト、中継拠点経由のクロスドック等に対応した最適な輸送計画を作成できる。また、輸送依頼と一致する空車情報を共有する「空車マッチング機能」により、利用企業内での車両リソースの有効活用もサポートする。

  • 「LogiSTAR Geospatial LINKS -Line」のイメージ画像(同社資料より)

    「LogiSTAR Geospatial LINKS -Line」のイメージ画像(同社資料より)

「LogiSTAR Geospatial LINKS -Eyes」は、中長距離輸送から地場配送までの一連の各輸配送情報の集約と共有を提供するサービス。荷主企業、3PL(third-party logistics)事業者、運送会社間で情報を共有し、貨物・車両ごとの輸配送進捗、到着予定などの輸配送状況の確認が可能だ。

同社が次世代輸配送管理システムとして開発する「LogiSTAR Geospatial LINKS」は、中長距離輸送、地場配送、動態管理、情報管理・共有と輸送領域における全体の最適化を目指すサービスで、スタートした2つ以外にもラストワンマイルまでの地場配送を支援する「LogiSTAR Geospatial LINKS -Local」、ドライバーのステータスを管理する動態管理「LogiSTAR Geospatial LINKS -Status」、最適なルートを導き出す計算エンジン「LogiSTAR Geospatial LINKS -Brain」などの開発が進められている。

  • 「LogiSTAR Geospatial LINKS -Eyes」のイメージ画像(同社資料より)

    「LogiSTAR Geospatial LINKS -Eyes」のイメージ画像(同社資料より)

現在、物流業界は2024年の車両運転業務で猶予されてきた「働き方改革関連法」の適用により発生する現場の混乱いわゆる「2024年問題」への対応のためDX化が求められている。同社のTMSはその中でも配送業務の下流部だけでなく、上流部分含めた輸送業務をトータルに支援するシステムとして今後の運用が期待されている。