KDDIは4月7日、2030年度までに自社の事業活動におけるCO2排出量実質ゼロ実現を目指すと発表した。

同社は2020年5月にKDDIのSDGs(持続可能な開発目標)「KDDI Sustainable Action」において、2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指すと宣言したが、世界的な環境意識の高まりを受けて、携帯電話基地局や通信設備などの省電力化と再生可能エネルギーの利用を通じて、従来計画より目標を20年前倒しする。

  • CO2排出量実質ゼロに向けたKDDIのロードマップ

なお、KDDIグループが「TELEHOUSE」ブランドで展開する全世界のデータセンターにおいては、2026年度までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指す。KDDIグループ全体では2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指す計画だ。

KDDIは、電力などのエネルギー消費を通じて年間約100万トン(一般家庭の約50万世帯分に相当)のCO2を排出している。そのうちの98%が携帯電話基地局・通信局舎・データセンターで使用する電気に起因しており、5Gの普及と通信量の増大によりさらなる増加が想定されるという。

通信局舎・データセンターのCO2排出量の削減のため、KDDIは米Intelと発表したAIを活用しトラフィックに応じて通信用設備のCPUを制御して消費電力を最大20%削減する技術や、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置を2024年度に導入する予定だ。

また、次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」を将来的に携帯電話基地局に導入することを検討している。