PCにウイルス対策ソフトウェアを導入することは、サイバー脅威に対抗するための最も基本的な手段である。しかし、脅威が進化して高度化された攻撃手法が使われるようになった現在、従来のソリューションはどこまで役割を果たしているのだろうか。BetaNewsが3月14日に投稿した記事がそんな疑問に答えてくれるかもしれない。

この記事は、セキュリティソフトウェアのテストサービスを提供しているAV-Comparativesの共同創設者であるPeter Stelzhammer氏へのインタビューをもとに執筆されたもので、現在のサイバー脅威に対してウイルス対策ソフトウェアが果たす役割、AI(人工知能)や量子コンピューティングなどの新技術がサイバーセキュリティにどのように影響するかなどがまとめられている。

ウイルス対策ソリューションが長い年月にわたって効果的なものであり続けた理由について、Stelzhammer氏は、ウイルスが進化する一方で、ウイルス対策ソリューションも時代の変化に対応して進化を続けており、決して古くて不恰好な製品のままではないからと説明している。サイバー脅威のパターンは今も増え続けているが、ウイルス対策ソリューションはそれに十分対応できており、専門家ではない人々にとって極めて重要な役割を果たしているとのことだ。

人工知能や量子コンピューティングといった近未来の新技術については、これらがサイバー攻撃に用いられるようになれば明らかに強大な脅威になり得るとStelzhammer氏も認めている。しかし、これらの新技術は同時にウイルス対策ソリューションに対しても大幅な改善をもたらすはずだという。Stelzhammer氏は、ウイルス対策ベンダーにとって重要なことは、サイバー犯罪者よりも早く、AIや量子コンピューティングの利用に成功することだと指摘している。