このほど、WordPressではバージョン5.5から画像の遅延読み込み機能が追加された。これは画像の読み込み待ちによってページ全体の表示が遅くなることを防止するためのものだが、テキストなどの画像以外の部分の表示が高速になる一方、Largest Contentful Paint(LCP: 最大視覚コンテンツの表示時間)のパフォーマンスは低下する傾向にある。

これに対し、WordPressに関する情報発信を行っているWordPress Tavernが1月4日に公開した次の記事によれば、現在開発中のWordPress 5.9ではこのLCPのパフォーマンス低下を抑制してページの読み込みが最大30%高速化できる可能性があるという。

WordPressの画像遅延読み込みは、画像のHTMLタグに対して自動で「loading=”lazy”」属性を追加することによって実現している。現在はほとんどの主要なブラウザが「loading="lazy"」をサポートしているため、多くの場合、この遅延読み込みはユーザーの満足度向上を期待できるが、もし遅延読み込みが多すぎる場合などはかえってパフォーマンスに悪影響を及ぼすという分析も公開されている。

  • WordPressページで画像の遅延読み込みの有無によるLCPの違い

    WordPressページで画像の遅延読み込みの有無によるLCPの違い

この分析の基準となっているLCPは、ビューポート内に表示される最も大きい画像またはテキスト ブロックのレンダリング時間を、ページの初期読み込み開始タイミングと比較したパフォーマンス指標である。この数値が大きいということは、ページのメインコンテンツの描画が遅いことを意味する。

WordPress 5.9では、パフォーマンスの低下につながる画像の遅延読み込みを回避する(「loading=”lazy”」の追加を抑制する)ことによって、遅延読み込みが有効になっている場合でもLCPの低下が防止できるようになるという。人気のある50のテーマを考慮した分析では、この改修によってページの読み込みが最大30%高速化することが確認できたとのことだ。

WordPress 5.9は2022年1月25日にリリースされる予定となっている。