マクニカは11月10日、コンタクトセンターのオペレーター対応を効率化するAI活用のナレッジマネジメントサービス「tatoe(たとえ)」を開発し、同日β版としてリリースすることを発表した。
「tatoe」はコンタクトセンターやコールセンターのナレッジマネジメントを、AI技術を活用した「あいまい検索」というアプローチで支援する、SaaS型の企業内サーチサービス。
あいまい検索とは、キーワードではなく文章全体の意味から判断して類似度/一致度を判定して結果を返す仕組みを意味する。AIが問い合わせ文面と過去履歴の意味を理解して最も類似する文書をランキング形式でオペレーターに掲示する。顧客から問い合わせを受けたオペレーターは、「tatoe」に問い合わせ文面をそのままコピーして貼り付けるだけで、過去の類似事例を即座に見つけ出すことが可能だという。
モデル作成データは少量でも利用でき、タグ付けなどの複雑なデータ加工は不要。辞書データとモデルが文脈を読み取って単語の意味推測を実施し、業界や会社特有の単語も辞書登録は不要。Typoなどの記入ミスや表記ゆれも吸収して意味を理解するとしている。また、同社がデータ加工などの準備を支援するため、部門にデータサイエンティストがいなくても始めることが可能だということだ。
「tatoe」を活用することで、オペレーターの経験や在籍期間、人 材によるスキルのばらつきに関係なく、対応品質の安定化や教育コスト・採用コストを低減することが可能だとしている。
なお、今回のβ版リリースの段階ではコンタクトセンターやコールセンターへ展開し、今後は営業部門や品質管理部門など多種多様な現場への展開など、段階的に適応する業務範囲を拡張していく予定だということだ。