NTT、JR東日本、NTTファシリティーズ、NTTデータは11月1日、NTTが開発した「空調最適制御シナリオ算出技術」をJR新宿ミライナタワーのオフィスロビーに適用する共同実証を行った結果、夏季におけるオフィスロビーの快適性を維持しつつ、消費エネルギー量を約50%削減できたことを発表した。
「空調最適制御シナリオ算出技術」では、来館者の数、外気温、空調運転状況、室内の温湿度を用いて、機械学習技術とコンピューター流体力学を組み合わせることで、快適性指標であるPMVを少量の計測データより予測し、予測されたPMVを基に最適な空調運転設定を算出するという処理を1日分繰り返し実施しながら最適化する深層強化学習を用いて、対象日における最適な空調運転シナリオを算出した。
実証で、この空調運転シナリオを適用したところ、PMVを快適な範囲内に保ちつつ、空調機が用いる消費エネルギー量(冷水熱量)を、従来の同気候日における空調運転時と比較し、約50%削減できることを確認したという。
4社は、この結果について、深層強化学習を用いた空調最適制御シナリオ算出技術が、実際のビルにおける空調の最適化に役立つことを実証した重要な成果としている。
今後、NTTグループとJR東日本グループは、今回の実証の成果の導入拡大を共同で推進し、ビルの魅力向上と共に消費エネルギー量削減を実現していく。