富士通は9月22日、これまで法人向けに提供してきたクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O(FJcloud-O)」および「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V(FJcloud-V)」について、個人および個人事業主向けにも提供を開始すると発表した。
FJcloud-Oは企業の基幹システムのクラウド化に最適なクラウドサービスを提供する。オープンソース・ソフトウェアであるOpenStackをコアに、IaaS、IoT Platform、業種・業務プラットフォーム「COLMINA Platform 」などから構成される。国内の同社データセンターでサービス基盤を保有するため、データが国外に流出するリスクを最小限に抑えることが可能だという。
FJcloud-VはVMware vSphereベースのパブリッククラウドサービスで、オンプレミスのVMware環境のクラウド移行を実現する。富士通クラウドテクノロジーズが提供する「ニフクラ」によって、クラウド環境の運用を意識することなくVMwareベースの機能を利用できる。
両サービスの個人および個人事業主向けの提供は、2021年12月の開始を予定している。Web販売サイト「Fujitsu Cloud Direct」を通して提供され、販売価格はFJcloud-Oが1IDあたり月額6000円からで、FJcloud-Vが1IDあたり月額2210円から。
近年は企業や政府などによってDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが進められる中、高度なITの利活用やデジタルビジネスの推進を担うIT人材の確保が難しくなっている。また、技術進展が急速なIT分野では、求められるスキルや能力の変化に応じたIT人材の確保が求められる。
さらに、コロナ禍で加速した社会の変化により、兼業や副業、フリーランスなど多様で柔軟な働き方が選択肢として広がりつつある。こうした環境の変化を受けて、同社は個人および個人事業主向けにサービスを提供するとのことだ。同社は今後について、「Fujitsu Cloud Direct」の商品ラインアップを増やすとともに、さまざまな決済手段を用意するなど、ユーザーエクスペリエンスの向上に向けた機能やサービスメニューの拡充を図っていくとしている。