電通国際情報サービス(ISID)は7月5日、VR(仮想現実)を使用した多拠点間バーチャルコラボレーションシステムである「CoVR(カバー)」を8月2日に提供開始すると発表した。サブスクリプション料金は、サーバライセンス利用料が年間165万円、クライアントライセンスが1端末あたり年間33万円。バーチャルトレーニングやコラボレーションを必要とする製造業やメンテナンス業、小売業などを対象に、3年間で50件の販売を計画している。

  • VR空間での共有イメージ

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新システムは、設計・解析データを用いて作成した実物大のリアルな3Dモデルを、複数拠点のユーザーが同一のVR空間で同時に確認し、操作などの体験までを共有可能というもの。同社がこれまで、自動車メーカー向けバーチャルドライビングシミュレーターや電機メーカー向けVRトレーニングシステムなど、顧客向けに開発・提供してきたxRソリューションのノウハウを集約した。

同サービスは、VR空間上に実物大の3Dモデルを表示し、遠隔地にいる複数のユーザーがインターネットを通じて同じ空間で1つの3Dモデルを共に確認しつつ操作しているかのような仮想環境を提供する。

対象物の精緻な3Dモデルに加え、機構のアニメーション表示、モデルと視点の自由な移動、指示箇所へのマークの付与、ドキュメントの閲覧、音声会話、アバター表示等の機能を備え、直感的かつ効率的なコミュニケーション手段を提供するとしている。

  • 実際の動きのアニメーション表示

同システムの3Dモデルでは、ドアの開閉など実際に機器を動かした際のイメージとなるアニメーション表示が可能であり、VR空間上で再生可能という。

  • 背景入れ替えのイメージ

また3Dデータとは別に背景の入れ替えが可能であり、より自由にVR空間の構築が可能とのこと。3Dモデリングした背景に加え、撮影した360度の静止画や動画を背景として利用でき、シチュエーションに応じた空間の再現が可能としている。

さらに、VR空間でのコミュニケーションをよりリッチにする機能として、VR空間上に設置した大画面へのPDF表示、3Dデータの移動/回転、3Dデータの断面閲覧、パーツ単位の表示/非表示などを備えるという。