IDC Japanは6月2日、国内AIシステム市場予測を発表し、2021年の国内AI(人工知能)システム市場における市場規模は前年比34.1%増の2119億1600万円になると予測した。
2020年の同市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるICT支出抑制など大きなマイナスの影響を受けることなく、市場規模が1579億8400万円、前年比成長率は47.9%になった。
多様なユーザー企業によるAIアプリケーションの利用が増加し、2020年のAIシステム市場は同市場の3分の1以上を占めるソフトウェア市場が前年比で45.2%増加したことが、同市場における成長の主な要因となっているという。
また、ハードウェア市場はCOVID-19の研究/対策やAIの推論モデルを活用した非接触ソリューション開発を目的とする「富岳」などに代表されるスーパーコンピューターの需要の高まりとハイスペックサーバーの前倒し導入に起因し、同104.2%増となった。
同社は、特にデータマネジメントや分析(アナリティクス)、従業員へのリスキリング(職業能力の再開発)を中心に積極的にAI投資が行われると予測する。2022年はこれらの投資が企業の中期投資計画に組み込まれていることから前年比28.7%増と、同市場は成長を続けると見込む。そして、2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は25.5%で推移し、2025年には4909億8100万円になるとIDCは予測している。