セールスフォース・ドットコムは12月8日、Marketing Cloudにおいて、カスタマーデータプラットフォーム「Customer 360 Audiences」およびリアルタイム・インタラクション管理ソリューション「Interaction Studio」を国内で提供開始すると発表した。「Customer 360 Audiences」の価格は1組織当たり月額150万円からで、「Interaction Studio」の価格は個別見積もり。
専務執行役員 ジェネラルマネージャ プロダクトセールス担当 兼 韓国リージョン統括 笹俊文氏は、「理解、共感、つながりがエンゲージの基本であるにもかかわらず、顧客のエクスピリエンスは分断されたまま」だとして、リアルタイムのエンゲージメントとイノベーションがマーケターの最優先課題であると指摘した。
同社が実施した調査「マーケティング最新事情(第6版、2020年)」では、マーケターの優先課題として「リアルタイムの顧客エンゲージメント」と「一元化された顧客データの全ビジネスユニットで共有」「パーソナライズのレベルと顧客の快適度のバランス」が挙がっている。
笹氏は、両製品によって、マーケターがカスタマージャーニーをオーケストレーションすることを可能になると説明した。
両製品については、マーケティング本部 プロダクトマーケティング マネージャー 前田恵氏が説明した。簡単に言うと、「Customer 360 Audiences」はインサイトのシステムであり、「Interaction Studio」はエンゲージメントのためのシステムとなる。
前田氏は、「Customer 360 Audiences」と「Interaction Studio」は企業がCustomer Data Platform(CDP)に求める「インサイト」「エンゲージメント」という2種類の機能を提供すると説明した。
「Customer 360 Audiences」により、マーケターはあらゆる顧客データを収集・統合し、顧客に対するインタラクションをパーソナライズすることが可能になる。
具体的には、メールやオンライン履歴、Eコマース、CRMデータなど、複数のチーム、デバイス、システムにまたがる顧客データを一元化し、単一の顧客IDを作成する。収集された顧客データはセグメント化、アクティブ化され、マーケター自身が取り込んでマッピングや分類が行える。「これまで、企業においては各部門でそれぞれデータを見ており、顧客データじゃサイロ化されていた。これでは、シームレスな顧客体験を実現できない。Customer 360 Audiencesでは、あらゆる顧客データを一元化して、パーソナライズできる」と、前田氏は語った。
一方、「Interaction Studio」は、さまざまなチャネルで1to1のエンゲージメントを実現する。「これまでエンゲージメントはブランドやセグメントを中心に行っていたが、Interaction StudioはAIを活用して、リアルタイムで個人中心のエンゲージメントを可能にする」と前田氏。
「Interaction Studio」では、詳細な行動追跡、さまざまなソースからのデータ集約、アフィニティ モデリングを通じて。顧客の興味や意図をリアルタイムで理解してアクションにつなげる。
また、「Interaction Studio」には同社のAI「Einstein」が搭載されており、「Einstein」によって顧客とのやり取りから関連性を高め、エクスピリエンスを最適化する。特定のチャネルでのやり取りから学習した顧客の特徴を活用して、体験の改善もリアルタイムで行う。
さらに、A/Bテストによってエクスピリエンスの成果をモニタリングし、レポート・分析を通じて、パーソナライズ キャンペーンやカスタマーエンゲージメントを最適化することができる。
前田氏によると、「Interaction Studio」はグローバルで既に利用されておりお、コンバージョン率の向上、売り上げ拡大、サービスコストの削減、顧客離れの減少といった実績があるという。