京都橘大学とNECは11月2日、学生の学修・生活環境向上や、AI・IT教育の推進に向け教育研究連携協定を締結したと発表した。同連携では、2021年3月竣工予定の同大学の「新管理・教室棟(仮称)」および2021年4月開設の工学部情報工学科を起点として、「施設・設備」「教育」「研究」の各面で段階的に広範な取り組みを行っていくとしている。
具体的には、「施設・設備」面での連携については2020年度以降に、同大学の新管理教室棟内にNEC協力のもと「サイバーメディアラボ(仮称)」を設置する。学生の利便性向上や、AI・ITへの興味・関心の喚起および教育研究への活用を視野に入れ、施設案内ロボットや食堂など各施設の混雑状況提示システム、近未来型空中操作システムなどの機器を導入していく予定だという。
また、「教育」面では新しく情報工学科が開設する2021年度以降に、先端技術の利活用に関する科目や、課題解決プロジェクトなどの実施を行う。具体的には、社会で活用される先端的情報技術などを紹介する講義や、同社から提示する課題に学生が取り組み、プレゼンテーションを行う課題解決プロジェクトなどの取り組みを実施する。
さらに、情報工学科の専門ゼミでは、さらに深くNECと連携し、高度な研究などに取り組んでいく予定としている。なお、これらの取り組みは「サイバーメディアラボ」での機器なども題材として取り上げながら行うとのこと。
最後の段階として、「研究」面での連携により2022年度以降から、アフターコロナの新標準となるシームレスIT学習基盤の構築に向けた実証実験を行う。具体例としては、顔認証など各種認証技術や学生の履修情報、行動履歴を情報技術で結合・分析し、シームレスな学習支援サービスおよびAIによる学習行動等の提案にかかる実証実験などを行う。
また継続的な連携のうえ、全学的AI・IT教育カリキュラムの整備や、授業におけるより積極的な情報技術の活用、大学が立地する地域を巻き込んだAI・IT教育研究の展開などを検討していく方針だ。