NECは6月23日、静岡県藤枝市へコミュニケーション・ロボット「PaPeRo i(パペロアイ)」を活用した高齢者の見守りなどをサポートするサービス「みまもり パペロ」を提供すると発表した。藤枝市は7月1日から3カ月間の実証実験を行い、10月から希望する市民へサービスを提供する予定。

  • 「みまもり パペロ」の主なメニュー

同サービスは、顔検知機能や音声認識AI技術、さらにクラウドサービスを融合しており、高齢者を見守るだけでなく、ロボットとの会話や家族とのメッセージ・写真などのやりとりを通じて一人暮らしの高齢者の生活をサポートする。現在サービスを利用中の高齢者に最も多く使われているのはロボットとの会話を楽しむ「おしゃべり機能」で、多い人は1日50回以上、平均で1日15回使われているという。

  • 「緊急通報サービス」の概要

同社は今回、藤枝市は高齢者と離れて暮らす家族に代わって、警備会社が緊急時に対応できるよう、新たに緊急通報サービスに取り組む。ロボットを介して自治体と警備会社が連携するサービスは全国で初めてだという。

高齢者が赤い緊急通報ボタンを押した場合や、見守りのための写真撮影で3回連続、高齢者がロボットの前に現れなかった場合に、ロボットから警備会社・家族・自治体に緊急通報メールが送信される仕組みになっている。警備会社は緊急通報メールを受信すると、高齢者に電話をかけ、必要な措置を取り、電話に応答がない場合は、高齢者宅を至急訪問し、安否を確認する。

同社は今後、ロボットを介して自治体と地元企業が連携するサービスモデルを提案をしていく。具体的には、同社が「みまもり パペロ」の基本サービスを提供し、自治体はNECが提供するAPIを使って宅配スーパーと連携した「買物支援」、病院と連携した「健康管理支援」などを開発する方針だ。