Arcserve Japanは8月28日、バックアップのクラウドサービス「Arcserve Business Continuity Cloud」のラインアップとして、「Arcserve UDP Cloud Hybrid」と「Arcserve UDP Cloud Direct」を国内で提供開始すると発表した。
「Arcserve UDP Cloud Hybrid」は、オンプレミスの「Arcserve UDP」のデータをクラウド環境にバックアップするサービスで、災害対策としての利用が可能だ。「Arcserve UDP Cloud Direct」はオンプレミス環境のデータを直接クラウド環境にバックアップするサービスで、バックアップサーバの管理が難しい拠点を対象としている。
職務執行者社長の江黒研太郎氏は、「クラウドサービスを提供するのは今回が初めてだが、新サービスが既存のビジネスを置き換えるものとは考えていない。Arcserve UDP Cloud Directはオンプレミスでバックアップ環境を構築することが難しい企業や組織を対象としたものであり、新規の市場開拓を狙っている」と語った。
新サービスについては、Arcserve Japan シニアパートナーアカウントマネージャの中田皓介氏が説明を行った。同氏は、「Arcserve Business Continuity Cloud」を提供する狙いについて「クラウドサービスであれば、バックアップ環境の機器の購入、設置、ソフトウェアのインストールに加え、運用管理もわれわれが行う。そのため、導入と運用にまつわるコストを抑えることができる。また、われわれのクラウドサービスの料金は、1TB単位のストレージ容量に応じた1年間のサブスクリプション方式となっている。クラウドサービスは従量課金方式を採用しているケースが多いが、データが多いバックアップを従量課金方式で利用すると料金がかさむが、当社のサービスはそうした心配なく利用していただける」と述べた。
「Arcserve UDP Cloud Hybrid」では、インスタントVMまたは仮想スタンバイ機能を利用することで、本番システムの代替VMを起動することができる。そのため、本番システムに障害が発生した際、システムの利用を継続できる。
また、Microsoft Office 365については、「Arcserve UDP Cloud Hybrid」に直接バックアップすることができる。この機能により、退職した従業員などの保存期間を過ぎたメールやファイルの復旧が可能になる。
さらに、「Arcserve UDP Cloud Hybrid」では、「Arcserve UDP」のライセンスがAdvancedエディションでも、Premiumエディションでのみ利用できるアシュアードリカバリ機能を利用できる。アシュアードリカバリ機能は、複製されたデータがリストア可能かどうかを自動でチェックするもの。
「Arcserve UDP Cloud Hybrid」は東日本と西日本の2つのリージョンから選択可能で、料金はそれぞれ異なる。
一方、「Arcserve UDP Cloud Direct」は、バックアップ機能だけを使う「BaaS(Backup as a Service」、バックアップに加えて本番システムの代替仮想マシンを起動できる「DRaaS(Disaster Recovery as a Service)」の2種類のサービスから選択が可能。
「Arcserve UDP Cloud Direct」は北米西海岸リージョンを利用する。同社では、北米西海岸リージョンのデータは英国と別な米国のデータセンターで複製されており、データセンターに障害が発生した場合はこれらのデータを利用できるという。