デルは、2019年5月21日、22日の2日間、宮崎県宮崎市のDell EMC 宮崎カスタマーセンターにおいて、AIを活用したサービスや製品開発を行っている開発会社や、AIの導入を検討しているユーザー企業、教育機関などを対象にした「Dell EMC テクニカルセミナー 宮崎キャンプ」を開催した。

会場には、14社22人が参加。「AIプロジェクトを成功に導くインフラ構築とは」と題したセッシヨンでは、AI基盤向けて最適化されたDELL EMCのサーバ製品などを紹介。NVIDIAからもGPUを取り巻く最新情報などが提供された。

デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 シニアビジネス開発マネージャーの増月孝信氏は、「データが急速に増加する一方で、それを処理するコンピューティングコストは急速に減少している。また、HPCは、計算指向が強いものであったが、最近では、HPDA(High Performance Data Analytics)と言われるようにデータ指向での利用が注目されている。これらの傾向はこれからも続き、AIの進化を支えることになる」と、昨今の動向を解説。

  • デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 シニアビジネス開発マネージャーの増月孝信氏

一方で、AIのユーザー層を、AIをすでに導入済みの「先進ユーザー」、現時点ではAIの知識と経験は未熟であるものの、データ分析の経験が多い「従来型データ分析ユーザー」、AIの必要性を認識しているが、知識や経験、人材が不足しており、どこから手を付けていいかわからない「AI未経験ユーザー」の3つの層に分類。

「それぞれの層において求められるものが異なる」とし、Dell EMCでは、先進ユーザーに対しては、PowerEdge C4140をはじめとした既存環境を最適化する各種製品を提供。従来型データ分析ユーザーには、Ready Solutions for AIと導入コンサルティングによって、AIの敷居を下げるターンキーソリューションを提供するほか、AI未経験ユーザーに対しては、スキルセットを構築するためのサービスと技術を提供し、データサイエンティストの育成も支援できるとし、あらゆる層に対して、アプローチできる体制が整っていることを強調してみせた。

また、Dell EMCでは、AIを支えるアクセラレーテッドコンピューティングの実現に向けて、GPUやFPGA、IPU、オールフラッシュといった機能を活用しながら、幅広い品揃えを行っていることを示しながら、そのなかでも、Dell EMC PowerEdge C4140の説明に時間を割いた。

PowerEdge C4140は、最大4基のGPUをサポートする高密度1Uサーバであり、アクセラレーターによる最適化も実現。優れた排熱効果で、コグニティブコンピューティングのワークロードの要求レベルにも対応できるという。

  • Dell EMC PowerEdge C4140

インテル Xeonスケーラブルプロセッサーを2CPU搭載し、24枚のDIMMを採用。「GPUを最前面に搭載することで、冷却効率を高め、性能を発揮できるようにしている。GPUを最優先した設計となっており、最も要求の激しい技術計算を処理するように設計されたサーバーである。様々なワークロードに対応するために、複数のコンフィギュレーションを用意。PCIe構成と、NVLink構成の両方に対応する」(デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 HPCビジネス開発マネージャーの山崎拓也氏)などとした。

  • デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 HPCビジネス開発マネージャーの山崎拓也氏

これを補足する形で、デルの増月氏は「Config-Mでは、PCIeスイッチを介さずに、直接、CPUとGPUを結ぶことができる。1GPUや2GPUの構成では、Config-Kとの性能差はないが、4GPU構成の場合や、2ノードを用いた場合などに、Config-Mの性能の高さが見られる」と説明した。

そのほか、機械学習専用サーバと位置づける「Dell EMC DSS 8440」では、4Uラック筐体に、最大10基のNVIDIA Tesla V100 GPUや、Graphcore C2 IPUを最大8基搭載することで高性能化を実現。機械学習に最適化した水冷対応の高密度サーバ「Dell EMC PowerEdge C6420」では、1Uあたりの密度、拡張性、エネルギー効率を最大限に高めることで、ハイパースケールのワークロードにも対応できるなどとした。

  • 「Dell EMC DSS 8440」(DELL Technolpgies World 2019の展示会場)

そのほか、AIワークロードを処理するために構築された事前検査済みスタックソリューションとして提供する「Ready Solutions for AI」では、シンプルなAIエクスペリエンスによりデータサイエンティストの生産性を30%向上したり、パフォーマンスを最大2.9倍に拡大したりできるのに加え、AIに関するトレーニング時間を98%短縮するといった効果があるとした。

また、「ここにきて、データサイエンティストの育成に対する要望が高まっている。時間がかかり、投資がかかるものであるが、Dell EMCでは、最短6カ月という期間で、自律的に、AIやデータサイエント業務が実施できる人材を育成できるように支援している」と述べた。

さらに、Dell Technologiesがある米テキサス州オースティンに、Dell EMC HPC & AI Labを開設。大規模な検証を実施できるようにしていることを紹介。「日本からもほぼ毎日のようにアクセスがあり、ベンチマークを行っている」とした。