Google Cloudは4月9日 (米国時間)、米サンフランシスコで開催中の「Google Cloud Next '19」(4月9日~11日)において、ハイブリッドクラウドソリューション「Anthos」の提供を発表した。昨年7月にNext '18で発表した「Cloud Services Platform」をベースとしたサービスで、一般提供開始に伴い名称を改めた。「Anthos」はギリシャ語で「花」という意味だ。
Cloud Services Platformは、KuberneteとIstioを組み合わせたクラウド活用をサポートし、Kubernetes環境をオンプレミスで動作させる「GKE On-Prem」とともに、ハイブリッドクラウドの採用を検討する顧客に、サービスの構築、実行、管理をシンプルにするソリューションを提供する。スピードと信頼性を高め、セキュリティとガバナンスを改善するとともに、Google Cloud Platformとオンプレミスの両方で実行できるコードを一度のビルドで作成可能にする。今年2月にクローズド・ベータでの提供が始まり、Next '19での正式サービス化に向けた動き期待されていた。
Anthosは、Google Kubernetes Engine (GKE)のGoogle Cloud Platformと、GKE On-Premの自社データセンターのハイブリッド環境をもたらすだけではない。AWS (Amazon Web Services)やAzureといったサードパーティのクラウドサービス上で動作するワークロードの管理もサポートする。マルチクラウドソリューションにもなる。
Googleはまた、「Anthos Migrate」(ベータ)を発表した。オンプレミスまたは他のクラウドからGKEのコンテナに、仮想マシンを自動的にマイグレートする機能を提供する。
基調講演では、オンプレミスの仮想マシン上のEコマースサイトのアプリケーションをGKEのコンテナに変換し、Anthosで管理できるようにデプロイするデモを披露した。ブラックライデーのようなEコマースサイトに負荷がかかる際に容易にスケールできるようになり、またアクセスポリシーを含めたセキュリティを一括管理できる。さらに、サードパーティのクラウドにもデプロイして管理できることを示して見せた。
Anthosには、Cisco Systems、Lenovo、Dell EMC、Hewlett Packard Enterprises、Intel、VMwareなど、30以上のハードウェアおよびソフトウェアのベンダーがパートナーとして協力している。CiscoのKip Compton氏 (クラウドプラットフォーム&ソリューション担当SVP)は「我々の顧客は、オンプレミス、パブリックラウドまたは複数のクラウドを問わず、どこにでもシームレスかつセキュアにデプロイできるアプリケーションを求めている」と顧客のニーズの変化を指摘している。