AIDMAなどで知られる消費者心理行動。インターネットや電子マネーの浸透により消費のプロセスが細分化され、新たな研究やモデルも増加してくことになる。三菱総合研究所とメルカリは、シェアリング(再販売)時代における新たな消費モデル「SAUSE」を見出した。
26日に両社が発表した、フリマアプリ上で洋服や化粧品の取引を行うユーザーを対象にしたアンケートの分析から提唱するモデルは「SAUSE」。Search(検索)/Action(行動)/Use(一時利用)/Share(再販売)/Evalution(評価)のサイクルで、物を"所有する"という従来の価値観から"シェアを前提とした利用"へと価値観が変化することで消費行動が異なってくる様子がうかがえる。
20代以上の男女、アプリ(洋服/化粧品)利用頻度が3カ月に1回以上の男女に昨年9月に行ったアンケート(回収サンプル1,642)では、新品購入時に売却を意識するか否か?洋服購入では65%、化粧品購入で50%が意識すると回答。シェアリングサービス利用後には、新品購入頻度の増減変化が見られており、増加理由には売却を前提とした新品購入、高価格帯へシフトするユーザーの出現など売却を前提としたシェアリングが新品購入に影響を与える状況が見られている。調査結果の概要は以下の通り。
・モノのシェアを日常的に行う消費者は、「売却」を意識して新品を購入する
・消費者の一部は、売却金額を念頭におくことで、新品購入が増加、あるいは購入する商品ブランドが高価格帯に遷移している
・シェアリングサービスの普及により、従来とは異なる消費行動が発生している
インターネットやスマートフォンでの購入の増加により、消費行動が細分化していくことが考えられる。パターン化したモデルの抽出は、マーケティングをはじめ大きくビジネスに寄与していく。両社は産業・経済・社会に与える影響の研究を進めていく構えだ。