三井住友アセットマネジメントは1月21日、マーケットレポート「『訪日客』、インバウンド消費ともに過去最高」を発行した。これに伴い、概要を公開している。

これによると、2018年の訪日客は、累計で3119万2000人と前年比+8.7%となった。これは、日本政府観光局が統計を取り始めた1964年以降最高値となる。これに伴い、インバウンド消費も過去最高となった。

2018年12月の訪日客は263万2000人

日本政府観光局が1月16日に発表した2018年12月の「訪日外客数」(推計値)は、前年同月比+4.4%の263万2000人となった。自然災害の影響で9月には落ち込んだものの、2018年の累計では前年比+8.7%の3119万2000人となり、年間で過去最高を更新した。

国・地域別(年間)にみると、中国が同+13.9%の大幅増加となり、全体をけん引した。中国に韓国、台湾、香港を加えた東アジア4市場で、訪日客の70%以上を占める結果となった。

インバウンド年間消費、過去最高へ

観光庁が1月16日に発表した「訪日外国人消費動向調査」(速報)によると、2018年の訪日外国人旅行消費額は4兆5064億円と過去最高となった。また、1人当たりの消費支出は15万3000円とないう結果に。消費額については2018年から調査方法を変更したため、同庁は従来ベースの推計方法による推計旅行消費額は前年比+8.7%の4兆8000億円になると公表している。

国・地域別の1人当たり消費額では、宿泊支出が多い欧米豪が高く、オーストラリアやスペインなどが上位に。全体を費目別にみると、高い順に買物代、宿泊費、飲食費となった。

今後は、多様なニーズの取り込みが必要

政府は成長戦略の柱の一つとして、東京五輪・パラリンピックの効果で訪日する人が増えると見込まれる2020年に、訪日客4000万人・消費額8兆円を目標に掲げている。

この目標を達成するには、1人当たり20万円の消費額が必要となる計算だが、近年は15万円程度で横ばい傾向にあるという。これに対し三井住友アセットマネジメントは、モノ消費に加えて、訪日客の多様なニーズを的確にとらえ、日本国内での各種体験などのサービス(コト消費)需要を取り込みながら、滞在日数をさらに伸ばす取り組みが必要とみれらると分析している。